ジャパンモビリティショー取材記(2) 空飛ぶクルマ&自動運転
「報道部畑中デスクの独り言」(第345回) ニッポン放送報道部畑中デスクのニュースコラム。今回は、空飛ぶクルマと自動運転について― 【写真全8枚】SkyDriveのブース 飛行試験に成功した「SD-03」
ジャパンモビリティショー、前回は次世代EVについてお伝えしましたが、注目すべき点はまだまだあります。今回、いたるところに見られたのは円盤のような車体……そう、「空飛ぶクルマ」です。 「空の移動革命を実現する新たなエアモビリティへの期待が高まっているなか、より自由な移動の未来を示した」(SUBARU・大崎篤社長) SUBARU(スバル)が出展した「エアモビリティコンセプト」はまさに世界初披露、サプライズでした。現在は飛行実証中の段階ということです。
スバルの前身は中島飛行機で、戦前は軍用飛行機「隼」「疾風」などを製造していました。戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)が航空機の生産・研究を禁止し、製造の道が一時、断たれます。中島飛行機は十数社に分割。その後、一部が富士重工業を設立し、自動車事業に参入します。 現在、スバルはすっかり自動車メーカーのイメージが強くなりましたが、いまも航空宇宙部門を持ち、ヘリコプターやパイロット訓練用の練習機などを製造しています。 自律飛行と車体構造の高い技術、そして、それらの開発を自社で完結できるのが強み。そもそも、スバルの運転支援システム「アイサイト」も航空技術から生まれたものだそうで、そう考えると、スバルが空飛ぶクルマに着手するのはごくごく自然なことかも知れません。
一方で、関係者はあくまでも自動車らしいデザインを目指していると話します。幅6m、全長4.5mほど、確かに白いスリムなボディに、前方にある一対の「角かっこ型」の薄型ヘッドライト(?)、中央にある六連星のエンブレムは、どことなく自動車の雰囲気を醸し出していました。飛行距離や実用化の時期は不明ですが、2人乗りを想定しているということです。 一方、スズキも空飛ぶクルマに挑んでいます。 「これまでの事業の枠を空にも広げていく。モビリティの新しい価値を提案する」(鈴木俊宏社長)