エロール・ジマーマン　ⒸＫ－１

　「Ｋ－１」（５日、エディオンアリーナ大阪） 　「Ｋ－１　ＷＯＲＬＤ　ＧＰ　２０２４」無差別級アジア予選で山口翔大（ＧＥＮＥＳＩＳ）と対戦する「エロジマン」ことエロール・ジマーマン（オランダ／キュラソー）が、このほどインタビューに答えた。 　旧Ｋ－１末期に頭角を現したジマーマンは、海外では「ボーンクラッシャー」のニックネームがつけられたが、日本では本名を略した「エロジマン」の愛称で親しまれた。２００８年には極真王者のエヴェルトン・テイシェイラを破り、２０１２年には今や世界第代のキックボクシング団体「ＧＬＯＲＹ」ヘビー級王者のリコ・ヴァーホーベンをＫＯするなどの実績を残してきた。 　１４年ぶりにＫ－１に参戦した６月のルーマニア大会ではマイク・カラマスケタス（ギリシャ）を１回ＫＯし、健在ぶりを見せつけた。日本でＫ－１に出場するのも１４年ぶりで、ジマーマンは「再び日本のファンに会えるのを待ちきれないよ。日本の大会はいつも素晴らしいし、ファイターを本当に大切にしてくれる。再びＫ－１チームに戻れることが嬉しい！俺は旧世代の最後の一人で、Ｋ－１に出場した時はすごく若かったので、また招待してもらえたことに感謝しているよ」と大喜び。 　「（日本は）いつもすごかったね。朝起きて朝食に行くと、ロビーに３０人から４０人くらいがサインや写真、握手を求めて待っているんだよ。朝早く起きてまで会いに来てくれて、握手したり、サインをもらうために待っていてくれる。彼らはいつも礼儀正しくて優しい。オランダとは本当に違う。だから、そういうすてきな人たちが大好きなんだ。彼らはこのスポーツを本当に愛していて、映画スターのように扱ってくれる。本当にすべてが尊敬の念に満ちていて、素晴らしい思い出しかない」と、かつての記憶をたどった。 　相手の山口は空手出身で７連勝中と勢いに乗っている。「彼のことはよく分からない。俺は相手の試合を見ないしね」とつれないジマーマンだが、それは「ピーター・アーツと戦うことになっても、彼の試合を見なかった。誰かと戦う時、前回の試合と同じように戦うことは決してないからだ。トレーナーでコーチのニッキー・へマーズはラモン・デッカーのコーチだったコー・ハーマーズの親族で、相手を研究し相手の得意なところや弱点を見つけ、それに基づいてトレーニングプログラムを作成してくれる。そのトレーニングをした俺は、コーチの指示をよく聞いて実行するだけだ」という理由から。 　「試合をする時は相手を倒すことだけを考えている。それが唯一の目的であり観客に提供するもの。人々はそれを望んでいるからこそ、チケットを買って見に来る。俺は爆発的なファイターなので、それを見せてやるよ。彼は１分も立っていられないよ」と戦いの哲学を開陳した。 　この１４年間での自身の変化については「８年か９年前にリコ・ヴァーホーヴェンとのチャンピオンシップで戦った際に大けがをした。再び歩くことができるまでに時間がかかったよ。唯一変わったことは少し足が遅くなったことくらいかな。でも、時間とともに、試合を重ねる度に成長し、より賢く、強く、速くなった。今では昔の自分に戻ったようにさえ感じている」と説明した。 　「新世代をナメるな」と山口が言っていることに対しては「彼は若いし自分を信じている。それは非常に良いことだ。俺も若い頃は先輩たちにかみついてきたからな、気持ちは分かるよ」と理解を示しつつも「俺に光が当たれば誰も止められない。止められるのは神様だけだ。彼には最善を尽くしてほしいね。俺をガッカリさせないでくれよ」と伝言した。 　勝ち上がれば１２月の決勝トーナメントに駒を進める。ジマーマンは「俺はこれが大好きだからやっているし、素晴らしい挑戦だ。Ｋ－１は復活していて、これからたくさんの素晴らしいことをやっていくだろう。Ｋ－１をさらなる高みへと導きたい。Ｋ－１は世界中の最高のファイターたちが集まるリアルファイトネットワーク。ただ戦って自分のスキルを見せるだけ。全てのファイターが集まり自分のスタイルを見せるのがＫ－１の素晴らしさで、再びその一員になれることをうれしく思っているよ」と壮大な思いを披露した。 　１４年ぶりの日本まであと４日。ジマーマンは「みんなが本当に恋しいよ。素晴らしいファイトスタイルを見せるので、楽しみに待っていてくれよ。大好きな第２の故郷に戻ることができて本当にうれしい。俺が戦っている時はトイレに行くなよ。飲み物も買うな。食べ物を手に持っていると驚いて吹っ飛んでしまうぞ！日本、そして世界、『ボーンクラッシャー』エロジマンが帰ってきたぞ！」と、メッセージを送っていた。