松本幸四郎さんや中村鴈治郎さんら出演 5年ぶり「こんぴら歌舞伎」開幕
讃岐路の春を彩る「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が5日、香川県琴平町の旧金毘羅大芝居(金丸座、国重要文化財)で5年ぶりに開幕した。松本幸四郎さんや中村鴈治郎さんら人気役者の至芸が、歌舞伎ファンらを魅了している。千秋楽は21日。 あだ討ち事件を題材にした「伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく) 沼津」で幕を開けた。幸四郎さんと鴈治郎さんが生き別れになった親子の役となり、敵同士になった悲劇的な運命と親子の情愛の間で葛藤する姿を熱演した。序盤の街道を歩く場面では客席の中を歩いて花道に戻り、観客の拍手と笑いを誘っていた。 横浜市から夫婦で訪れた中嶋康久さん(68)は「金丸座には初めて来た。昔のたたずまいが残る芝居小屋で歌舞伎を見ることができて感激した」と喜んでいた。 大芝居は、午前と午後の1日2部。チケットの問い合わせは事務局(0877―75―6714)。 金丸座は1835年に建設された国内最古の芝居小屋。大芝居は1985年から毎春開催されてきたが、2020年以降、新型コロナウイルス禍で中止が続いていた。