「国公立大歯学部に強い学校ランク」 1位は広島大学附属、前年比合格者2倍増 難関入試も公立校が健闘、5校がランクイン
【新・親も知らない今どき入試】 今回は「国公立大歯学部に強い学校ランク」をお届けする。データは、大学通信が各学校にアンケート調査した合格者数を集計したもの(5月31日現在)。 ここ数年、国公立大歯学部の志願者は増加傾向で、その背景には国公立大医学部人気がある。大学入学共通テストの平均点は2年連続で上がり、連動して医学部のボーダーラインも上がっているため、医学部から歯学部に志望変更する受験生がいたようなのだ。 もっとも、歯科医師過剰や歯科医師国家試験の難化などにより、基調として歯学部人気はそれほど高くない。最新の国家試験の状況を見ると、2024年の歯科医師国家試験の平均合格率は66・1%で、平均合格率が90%超の医師国家試験と対照的な数値となっている。 それでも、国公立大歯学部に限ると合格率は78・0%と全体値を大きく上回っている。医学部や歯学部は学費の安さと難易度が連動しており、学費の安い国公立大歯学部には優秀な学生が多く集まり、厳しい入試が展開される。 そんな国公立大の歯学部合格者数ランクを見ていこう。国公立大歯学部は難関な入試だが公立校が健闘しており、5校がランクイン。ベスト10を私立の中高一貫校が占める国公立大医学部ランクとは様相が異なる。 1位は10人が合格した広島大学附属。前年は広島大と九州歯科大が各2人など、トータルの合格者は5人だったが、24年度は広島大6人、大阪大、岡山大、九州大、九州歯科大が各1人で、合格者が倍増している。2位の鶴丸は地元の鹿児島大の合格者が7人と抜けており、難関の九州大にも2人の合格者がいる。 広島大学附属と鶴丸を含め、3位タイの岡山朝日、修猷館、西南学院、8位タイのノートルダム清心、沖縄尚学と、中四国・九州の学校がベスト10の内7校を占めている。この地域には、岡山大、広島大、徳島大、九州大、長崎大、鹿児島大、九州歯科大と、歯学部を持つ12大学中、7大学がある。受験生の視野に歯学部が入りやすく志望者が多いことが、ランキングに表れている。 中四国・九州以外では、仙台第二と滝が3位タイにランクイン。仙台第二は東北大の合格者数ランキングトップが定位置の学校らしく、合格者7人は全て東北大の歯学部だ。