【タイ】J商エレ、タイで溶剤リサイクル事業進出
JFE商事傘下のJFE商事エレクトロニクス(東京都千代田区)は25日、石油化学製品を輸入販売するタイのユニオン・ペトロケミカル(UKEM)と豊田化学工業(愛知県豊田市)と合弁で、東部チャチェンサオ県ゲートウェイシティー工業団地に溶剤のリサイクル工場機能を担う新会社「UTJグリーン・ソリューションズ(タイランド)」を設立したと発表した。 新会社の資本金は2億バーツ(約8億8,800万円)。出資比率はUKEMが51%、JFE商事エレクトロニクスが25%、豊田化学工業が24%。 UKEMの調べによると、タイの溶剤リサイクル率は3%未満にとどまっている。新会社は各工場から溶剤使用後に排出される廃液を回収・リサイクルすることで、使用基準を満たした高品質、低価格なリサイクル溶剤の提供を目指す。2025年11月に操業し、12月の販売開始を予定している。 高度な溶剤リサイクル技術を持つ豊田化学工業が技術支援を行う。最新式の蒸留設備を導入し、一般的な蒸留工程にかかる時間を半減する。これにより年間約1万トン以上の溶剤リサイクルが可能となるという。リサイクル工場は、自動車生産が盛んなゲートウェイシティー工業団地に建設する。 さらに廃液は一般的に産業廃棄物として焼却処分されるため、リサイクルは燃焼に比べ二酸化炭素(CO2)排出量の削減にも貢献できる。新会社の溶剤リサイクルで、年間1万トンのCO2排出量を削減できる見通しだ。 新会社はタイで安定的で高品質なリサイクル溶剤の供給体制を確立した後、ベトナムやインドネシア、インドなどへの展開も狙う。