釣り、風俗…家賃滞納で老母絞殺の55歳男 裁判所が断罪した生活保護費のあきれた使途
■「分不相応な支出継続」
「今考えたら別の方法があったんじゃないか。後悔しています」。男はたびたび、証言台で声を詰まらせた。
弁護側は男に軽度の精神発達遅滞があることや、自首した経緯を踏まえて懲役7年が相当と主張したが、大阪地裁は6月12日、懲役9年を言い渡した。
量刑理由で岩崎邦生裁判長は、「自宅を退去しなければならなくなったのは、分不相応な支出を続けて家賃を長期間滞納したから」と批判。「母親の落ち度はもちろん、偶然被告や母親を襲った不幸があったわけでもなく、その全てが被告が自ら招いた事態」と断じた。
男は法廷で、出所後は金銭管理について行政のサポートを受けながら自立を目指し、「お袋にごめんなさいと謝っていきたい」と母親の供養を続ける意思を示した。
判決では「反省の情は認められるし、立ち直りを期待できないわけではない」とも言及され、男の更生に望みをかけた。(地主明世)