総合博物館に進化した北海道博物館 4月18日オープン
【北海道・札幌】北海道開拓記念館と道立アイヌ民族文化研究センターが統合され、4月18日(土)に「北海道博物館」(愛称・森のちゃれんが、札幌市厚別区)としてオープンします。アイヌ文化や化石、剥製などの展示を通して北海道の大きな歴史の流れを学ぶことができるほか、「北海道の生き物」にスポットを当てた展示にも力を入れており、総合博物館への進化がうかがえます。
開拓記念館とアイヌ研究センターが統合
北海道開拓記念館は、1971年に北海道の開道100年を記念して開設された総合博物館で、主に考古学・歴史学・民俗学に関する資料が常設展示されていた施設です。道立アイヌ民族文化研究センターはアイヌ民族文化の調査・研究を行い、成果の公表や研究活動の支援を行っている施設です。この二つの施設が統合され、より総合的に北海道の歴史への理解を深める取り組みが「北海道博物館基本計画」で、この計画をもとにオープンへの準備が進められているのが北海道博物館です。2014年10月に条例で決定しました。 現在は展示室が完成に近づいていて、大きな資料・展示物の移動が始まり、研究員らスタッフは、4月18日のオープンに向けて準備を進めています。
展示は大きく分けて5テーマ。1階には「北海道120万年物語」「アイヌ文化の世界」という2テーマが、2階には「わたしたちの時代へ」「生き物たちの北海道」「北海道らしさの秘密」という3テーマを展示します。 「北海道120万年物語」では、北海道という大きな島ができあがった時代から近代までの大きな歴史の流れが展示されます。道立アイヌ民族文化研究センターの業務を引き継ぐ「アイヌ文化の世界」では、世界初のアイヌ民族の口承文芸(音楽)の展示が登場。「わたしたちの時代へ」は20世紀の始まりから現代への歩み、お客さんがいろいろな生物の視点から世の中を見ることができる「生き物たちの北海道」、そしてベールに包まれている「北海道らしさの秘密」という内容となっています。 その中でも特に力が入っているのが「生き物たちの北海道」。北海道開拓記念館から大きな変化となるのが、歴史系から総合博物館への進化です。「生き物たちの北海道」には新しい展示や工夫がたくさんあり、どんぐりを模した木の玉による食物連鎖・環境問題をアトラクションで紹介する仕掛けなど、子供たちも楽しめる動きのある展示も登場予定です。 また、インバウンド時代に対応すべく、英語はもちろん中国語・韓国語・ロシア語などの解説も充実。海外のお客さんにも楽しんでもらえる施設となっています。 北海道博物館の入場料金は個人一般が600円、10人以上の団体が500円を予定しています。 (ライター・橋場了吾)