「昇進する気がない」と言ったら同僚に驚かれました……年収が増えること以外で昇進するメリットってなんですか?
昇進すると年収が上がることが分かっていても、管理職を目指さない社員が増加している傾向があります。本記事では、年収アップ以外にメリットはあるのか、昇進について年収以外の視点から考察します。 また、仕事に対する責任感と満足感の変化や自分の能力を生かしたキャリア形成についても解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
役職別に見た平均賃金とは?
ひと昔前は、企業に雇用された後、昇進するとともに年収も増えていくことでキャリアを形成していくことが当然の流れでした。近年の役職者の賃金を厚生労働省が発表した、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」で確認しましょう。 男女を合わせた年収の統計では、部長クラスが596万円、課長クラスが490万8000円、係長クラスが370万8000円となっています。非役職の291万1000円からみた場合、部長クラスになると倍以上の給与額になっていることが分かります。 しかし、ビジネスコーチ株式会社(東京都港区)が、2023年5月29日~6月4日に全国の従業員数500人以上の企業に勤める20歳以上の一般社員500人および、管理職以上566人を対象に実施した「昇進・昇格に関する社員意識調査2023」の結果では、一般社員の90%超が「社長になりたくない」と答えています。 理由としては「責任が重い」という回答が一番多く、続いて「興味がない」や「大変そう」といった声があがっています。この調査の結果から、管理職層を目指しているといえる一般社員は多くないことが分かります。
昇進する年収以外のメリット
昇進することで、社員が得られる主なメリットは以下のとおりです。 ・仕事の幅が広がる ・スキルや経験が向上する ・給与額がアップする 昇進することで、これまで以上に責任感のある仕事を任されるようになり、大きなプロジェクトに参加するなど、仕事の幅が広がります。仕事に対するモチベーションも、上がる点は大きなメリットといえるでしょう。経験したことのなかった仕事をこなすことで、スキルや経験値が上がります。 また、昇進とともに給与額がアップしたり手当が支給されたりと、手取りの給与額が上がります。昇進することで関わる人も増えていき、人脈を広げるためのコミュニケーション能力を培うことができます。 昇進する度に仕事に対する責任感が芽生えるとともに、給与額のアップやこれまでの努力が認められたと実感することで、仕事を続けていくことへの満足感にもつながるでしょう。 昇進は、年収アップ以外にも仕事のスキルを向上させ、経験を増やしていくことで将来のキャリア形成に向けた大きなメリットを感じることができるところが魅力です。