リモート会議を上司の「独り相撲」にしない工夫 心理的安全性を高めるためにできることとは
さらに、このとき「問いかけ」をすると、参加者が自分の頭で考えようとするため、理解をより促すことができます。 「問いかけ」によって参加者とキャッチボールをすることで、話者自身の不安解消と、参加者の理解促進を実現しましょう。 例えば、以下のように問いかけてみてください。 チームメンバーに新しい提案をする場合 ×上司「ぜひ、このプランをやろう!」 〇上司「このプランをやってみるのはどうかな?」(間を空ける)
部下「良いプランだと思いました! やってみたいです!」 グラフに注目してほしい箇所がある場合 ×上司「このグラフ、2段階目で急激に数値が下がっているね」 〇上司「このグラフを見て、何か気づくことはないかな?」(間を空ける) 部下「急に数値が下がっているところがありますね」 このように、一方的に話すのではなく、問いかけることで参加者の意識を任意の箇所に集めることができます。 ほかにも、「問いかけ」には以下のようなメリットがあります。
■ 参加者に「自分で考えた答え」という意識を与える、また、それにより行動に移しやすくなる ■ 話者と参加者、双方で「答えを共創する」という意識を与える ■ 参加者を「受動モード」から「能動モード」に変えることができる 「問いかけ」を駆使して、心理的安全性を損ねる話者の「独り相撲」から脱却し、参加者の意欲と行動を喚起してみましょう。 ■リモート会議こそ「余白」をつくる リモート会議では、「創発」の機会が生まれにくいと考えられます。
創発とは組織論やナレッジマネジメントの分野で、組織のメンバー間の発想や能力をかけあわせて、予想もつかない新たな成果を生み出すことを意味します。 メンバー同士が自由に意見を出し合うことで、新しいものを創造していくイメージです。 リアルの会議では、会議の前後や休憩時間に雑談するなど、リラックスした時間や空間が生まれていました。 これはまさに、お互いのつながりを確認できる、心理的安全性が高い場です。忖度なく、突拍子のない意見を出してもとがめられる恐れがないので、新しいアイデアが出やすくなります。