「乗り心地は超フラット ハンドルを切れば思い通りに曲がって、常用域では文句の付けようがない」by 山田弘樹 これが、プジョー408GTハイブリッドに乗った自動車評論家のホンネ!
日常をオシャレに変えてくれる魅力がある!
今年もやりました「エンジン・ガイシャ大試乗会」。2024年、大磯大駐車場に集めた注目の輸入車36台にモータージャーナリスト36人が試乗! 車体と溶け込むような「フレームレスグリル」など、大胆なスタイリングが特徴的なプジョーのクロスオーバー・クーペ、408GTに乗った山田弘樹さん、九島辰也さん、大井貴之さんのホンネやいかに? 【写真21枚】いま一番カッコいいプジョーがこれ! 408GTの詳細画像を見る! ◆「Z世代の大好物」山田弘樹 フレームレスのグリルと牙型LEDデイライトが織りなす新世代のプジョー・フェイス。バキバキにエッジの効いたキャラクター・ラインで5ドア・ファストバックのクロスオーバーをまとめあげた姿を見て、「これはZ世代の大好物だろうな」と思った。古い世代は受け付けないかもしれないが、それでいいのだ。 さらに面白いのはこのギラギラしたデザインに対して、走りがどこまでもクールなところ。1.6リッター直列4気筒ターボに1.4kWhのバッテリーとモーターを組み合わせたPHEVは、出足からとっても静か。走行中の充電ができないから電池がなくなるとエンジンは掛かるが、それでも静か。 駆動用モーターの電力だけは常に確保されているから、ふとした加速も滑らかだ。この動力性能に対して、乗り心地は超フラット。ハンドルを切れば思い通りに曲がって、常用域では文句の付けようがない。 ただこの乗り心地を得るためかダンパー伸び側の押さえが緩く、速度域が高くなると、バネ下のタイヤが車体をあおる。また操舵していくと、カクッと曲がり込むところがある。でもそんな走り、Z世代はしないかな。 ◆「雲の絨毯」九島辰也 このクルマは色々な意味で新たな提案をしている。“フランス車=ホットハッチ”の図式はいまだに根強いが、クロスオーバーとてそれに負けない運動性能を持っている。 プジョー408GTを走らせてみればわかるが、このホイールベースの長さでこれだけ動きがいいのには驚きだ。 さらに言えば、このクルマは現在のプジョーブランドのフラッグシップだけあり、内外装とも高級感を感じる。 個人的に好きなのは前後のLEDライトの光り方で、リアコンビネーションランプもかなり凝ったデザインでかっこいい。長く伸びたルーフラインもそう。遠くからでもエレガントな装いをアピールする。 インテリアの未来チックなデザインも見ものだ。デジタルメーター・クラスターを有するi-Cockpitはオリジナリティいっぱい。ここもまたガイシャならではの世界観を打ち出す。国産車を見渡してもここまで振り切ったデザインは見たことない。 そして最後に元気になる最大ポイントをお知らせしよう。それはこの乗り心地。“雲の絨毯”に例えられるそれは健在。これを味わったらもう他は乗れなくなってしまうかも。 ◆「日常がオシャレになる」大井貴之 全長も全幅もトヨタのハリアーと同じくらいだが、全高はハリアーの1660mm(このクラスのクルマたちはほとんど同じような全高)に対しプジョー408GTの全高は1500mmと圧倒的に低い。このタテヨコ比とファストバックデザイン、そしてグラマラスなフェンダーの造形がこのクルマをカッコ良く、スマートに見せている。 それでいて2790mmというロングホイールベースによって後席も広い。しかもトランクスペースは奥行きも高さも充分にある。 この408GTには1.2リッターターボモデルもありそれがまた排気量の小ささを感じさせない走りをするのだが、1.6リッターターボ +モーターのハイブリッドとなるとさらに走りは静かでスムーズ。優しい乗り心地だ。 プジョーお得意の小径ステアリングの操作性もその上側に配されたメーターの視認性もとても良いだけでなく、高級感もある。しかもワインディングの走りはしなやかかつ軽快! 電動パワステの制御に若干の違和感があったが、ちょっと慣れればワインディングのドライブが楽しめる仕上がり。今まで通りの日常をオシャレに変えてくれる魅力がある。 写真=小林俊樹(メイン)/神村 聖(サブとリア) (ENGINE2024年4月号)
ENGINE編集部
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