<MLB速報>マー君が7回途中3失点も修正力で今季初勝利「着実に手ごたえ」
ヤンキースの田中将大(28)が14日(日本時間15日)本拠地ヤンキースタジアムで行われたインターリーグ(交流戦)のカージナルス戦に先発、6回と3分の1を投げて103球、5安打5奪三振3失点の内容で、開幕から3戦目にして今季初白星を挙げた。開幕戦で7失点、第2戦で6死四球と、異変を起こしていた田中だったが、立ち直りの傾向を見せて、ようやくメジャー4年目のスタートを切った。試合後、田中は「苦しかったですが、チームの勢いを借りて勝つことができてよかったです」とほっとした笑顔を浮かべた。 マー君が修正力を発揮した。カージナルスは初対戦となるナ・リーグのチーム。その立ち上がりに、手痛い一発を浴びる。一死からディアズにショートへの内野安打を許すと、3番の昨季21本塁打のカーペンターにファウルで3球粘られた後、ライトスタンドへ先制2ランを浴びた。キャッチャーは外へ構えていたが、中へ甘く入った153キロのストレートだった。試合前、ヤンキースのジラルディ監督は、「コントロールとスプリットの出来がポイント」と語っていたが、その両方共に課題を残す内容。 直後にヤンキース打線が奮起。無死一塁からカージナルスの先発、ワカの立ち上がりを攻めて好調のカストロが右中間へ同点2ランをお返しして、あっさりと試合を振り出しに戻すと、田中も徐々に立ち直りを見せる。その裏、三者凡退でチームにリズムを運び、二回一死から“愛妻”のロマインがライトスタンドへ勝ち越しのソロアーチ。3-2とリードをもらった田中は、3回に二死からディアスのライト線二塁打などで一、二塁とされたが、4番のピスコティをカッターでスイングアウト。得点を許さない。 「投球フォームが自分の中で安定していないい部分があったのですが、いろいろと探しながら、安定できるところを見つけて、なんとか尻上がりに投げていけたかなと思います」 マー君から不安要素が消えていく。コントロールを修正、特にスプリットが鋭く落ち始めた。4回、5回と、三者凡退。5回に相手の中継ミスなどで追加点をもらうと、上位打線に回った6回も、ディアズを左飛、カーペンターは、スプリットで三振、ピスコティも三ゴロに封じた。中盤の3イニングをパーフェクトにまとめてゲームを締める。 「序盤から、まずまず、ましだったのがスライダー。中盤からはスプリットもよくなってきて、なんとか形になったかなという感じです」 7回にもマウンドに上がったが、先頭のアダムズをシフトの逆をつかれた三塁内野安打で出塁させ、一死一塁からペラルタに四球を与えて一、二塁。このピンチでグリチョクに甘いスライダーをレフト線に運ばれた。 田中は何やら大声で吼えて悔しさを表現したが、3-4と1点差に詰め寄られた場面で交代を告げられた。なお一死二、三塁と走者を残したが2番手のクリッパードが後続を抑えた。 磐石なブルペン陣を持つヤンキースは8回をべタンセス、9回をクローザーのチャップマンが164キロをマークして抑え、1点のリードを守りマー君の今季初勝利をアシスト。開幕のレイズ戦、8日のオリオールズ戦で結果を出せなかった田中は、完璧とは言えない内容だったが、投げながら課題を修正してチームに5連勝をもたらした。 試合後、田中は、「まだ勝たしてもらった登板だった。3試合登板しましたが、着実に手ごたえを感じてきているので、次はよりいいものを出せるようにがんばりたい」と語った。