新型コロナの変異種「JN.1」が日本、アメリカ、中国で流行の兆し...症状を含む「最新情報」を医師が解説
新型コロナウイルスの発生、および世界的パンデミックから約5年。今ではおそらく、感染した場合の主な兆候を多くの人が理解している。しかし、ウイルスや症状、そして人の反応は時の経過とともに変化している。2024年の新型コロナウイルス感染による症状は、5年前と同じではないのだ。 現在、アメリカで感染者の62%を占めるのが「JN.1」というオミクロン株の変異株だ。JN.1による症状は比較的軽度。しかし、重症化し、命取りになる人は今でもいる。実際、アメリカでは入院、あるいは最悪の場合、命を落とす感染者が増えている。 そこで2024年現在、最も流行っている症状は何か、何に注意すべきか、専門医たちに聞いた。 話を聞いた専門家は、トーマス・ルッソ医学博士(バッファロー大学教授で感染病主任)、エイメッシュ・アダリャ医学博士(感染病専門家でジョンズ・ホプキンス・センター・フォー・ヘルス・セキュリティーの上席研究員)、ウィリアム・シャフナー医学博士(ヴァンダービルト大学医学部教授)の3人。
最新の変異株JN.1とは?
現在、アメリカで主流の変異株がJN.1で、新型コロナウイルスに感染した人のうち、約44%がJN.1に感染していると発表されている(2023年12月末時点)。昨年11月半ばにCDCが感知してから急速に拡大した。 JN.1は、オミクロン株の変異株「BA.2.86」がさらに変異したもので、日本の国立感染症研究所によると、日本国内でも11月頃から増加し、感染患者のうち31%がJN.1に感染している(12月28日時点)。中国でも再拡大する可能性があると発表され、世界中でJN.1が主流になっている。
2024年の新型コロナ感染の症状とは?
CDCは2022年10月以降、症状の公式リストをアップデートしておらず、リストにある症状は次の通り。 ・熱や悪寒 ・咳 ・息切れや呼吸困難 ・倦怠感 ・筋肉や体の痛み ・頭痛 ・味覚や嗅覚の喪失 ・咽頭痛 ・鼻詰まりや鼻水 ・下痢 「新型コロナの症状は、味覚や嗅覚異常の報告は減っているという例外を除き、大きくはずっと変わっていません」とエイメッシュ・アダリャ医学博士。 「全体的に見て、咽頭痛や鼻水、熱や体の痛みといった風邪のような症状になっています」とルッソ博士。感染やワクチン接種、あるいはその両方によって人々にウイルスに対する免疫がついたことがその理由だ。 しかし、中には重症化する人や死亡する人もいるとルッソ博士は指摘。子どもや高齢者、免疫障がいを持つ人、妊娠中の人、肺の基礎疾患がある人などはそのリスクのある人だと言う。「他の症状に加えて、息切れや胸の痛みを覚えます」。