「喧嘩売っているの?」なぜ那須川天心は「2日で7大世界戦」の地域王座初挑戦で日本人王者と戦わないのか…本人が説明する“裏事情”と危険な比国ボクサー
一方で2022年6月デビューで、キャリアはまだ2年という若さもあってボクシングは雑だ。ガードは甘く、ディフェンスに隙がある。パンチは大きいのでジャブの差し合いなら天心は負けないだろう。ラフなボクシングに巻き込まれず、いかに丁寧に内側からスピードのパンチを当てるかがポイントになるだろう。 7月20日に両国で行われた転向4戦目ではWBA4位の世界ランカーを3回に鮮やかなTKOで倒して、SNS上での“アンチの声”を黙らせた。ユーチューブが人気の元日本スーパーライト級王者の細川バレンタイン氏らからは「世界ランカーとは思えないほど弱かった」などの批判も出たが、意外とSNSからの攻撃はなく、「さみしい。もっと突いて欲しい」と、ネット民を挑発した。 それでもこの状況はプレッシャーにはなる。 「なるほど天心強いね、倒せるね、というベースで見ている。でもそれをまぐれと言われるのは嫌。気を引き締める。流れの中で戦いチャンスがあれば仕留めたい」 その先…おそらく2025年の終盤に待っているのが世界挑戦の舞台だ。 この興行でメインを張る井上、中谷、そして元K-1王者で9月3日に元世界フライ級王者の比嘉大吾(志成)とV1戦を行う武居由樹(大橋)、IBF王者の西田凌佑(六島)という4人の日本人王者がターゲットとなる。 「世界チャンプになるのが目標ってわけじゃない。強い奴とやって勝つ。チャンピオンが4人いる。ベルトは、もちろん4つ集めたいと思っている」 その目標に向けての指標となる出来事があった。 米国でのスパーで拳を交えたアンジェロ・レオ(米国)が、IBF世界フェザー級王者のルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)をフック一発で倒して新王者となった。階級は違えど、世界における天心の現在地を知るバロメーターになった。 「自分の実力が再確認できた。もちろん試合とスパーは違うけれど、手合わせをして強いなと思った相手がチャンプになった。自分がやってきたことに間違いはない。技術、強さの指標になったことが嬉しかった。(世界が)現実的になった」 天心の地域タイトル戦は、7大世界戦の興奮と感動の中で埋もれてしまうのか。それとも世界戦以上に輝くのか。 「しっかりと見せる。もう(世界王者が僕を)無視できないという状況を見せる」 真価を問われる2Daysの中での世界戦とは違う“番外マッチ”。天心は来週から1週間の走り込み合宿に突入する。 (文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)
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