ラーグルフ軽快な動き 3月定年引退の宗像師、2年ぶり制覇で花添える/中山金杯
<日刊スポーツ賞中山金杯:追い切り> 32年のキャリアに花を添える。3月4日で定年引退を迎える宗像義忠調教師(70)が、管理馬ラーグルフ(牡6)で日刊スポーツ賞中山金杯(G3、芝2000メートル、5日=中山)の2年ぶり制覇を狙う。3日に美浦ウッドで最終追い切りを行い、上々の仕上がり。ラスト2カ月。スパートをかける。 ◇ ◇ ◇ 人馬ともにフレッシュだ。今年で71歳の宗像師が、明け6歳ラーグルフの走りに白い歯をこぼした。「時計が出ちゃったね」。大みそかに続き中2日で美浦ウッドを単走。5ハロン70秒3-12秒3(馬なり)を計時。さらっと調整程度も、時計のかかる馬場を軽快に駆けた。「それだけ元気だということでしょう」。日に日に状態は上向いた。期待は、いやがうえにも高まる。 ゴールが見えてきた。定年制度により、3月4日で調教師を引退する。93年の開業から32年で重賞23勝(うちJRA・G1・1勝)。バランスオブゲーム、フェイムゲームなどで重賞勝ちを重ね、ナランフレグでは弟子の丸田騎手とともにG1勝ちに手が届いた。「先に引退された皆さんがおっしゃるように、年が明けると本当に早いのでね。1日1日が」とかみしめつつ「淡々とですね。元気にレースへ向かえれば」と職務に徹する。 その勤勉ぶりがご褒美? につながったかもしれない。ラーグルフは2年前、当レースを56キロで勝利。その後8戦未勝利だが、ハンデ57・5キロはやや恵まれた感もある。「58キロかなと思っていたけど、最後なので(0・5キロ分は)サービスかな」とニヤリ。鞍上は23年中山記念2着以来の菅原明騎手。「彼は年男らしいね。それにあやかれれば」。フレッシュな23歳に思いを託し、ラストイヤーは重賞Vで景気付ける。【桑原幹久】