苦戦続きの大河ドラマ ”王道”の戦国もので巻き返しなるか
1月5日、人気グループ「V6」の岡田准一を主演に起用したNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」がスタートする。主人公の黒田官兵衛は、豊臣秀吉の軍師として活躍した戦国時代の武将。ダウンタウンの松本人志が、かねてからテレビやラジオなどで「好きな武将」として紹介している人物でもある。 今年の大河ドラマ主人公 「黒田官兵衛」ってどんな人? 戦国時代を舞台にした作品は、歴代最高年間平均視聴率39.7%を記録した1987年放送の「独眼竜政宗」や歴代2位となる1988年放送の「武田信玄」を皮切りに、1965年放送の「太閤記」や1983年放送の「徳川家康」、1996年放送の「秀吉」と5作品が、年間平均視聴率30%超えを達成しており、いわば大河ドラマの王道とも言える。その”戦国もの”で、人気巻き返しを狙う。
■前作は歴代ワースト4位の視聴率 女優・綾瀬はるか主演の前作「八重の桜」は昨年1月6日に放送された初回こそ、平均視聴率21.4%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と好スタートを切ったものの、その後は低迷が続き、12月15日放送の最終回の平均視聴率は16.6%という結果に。全話の平均視聴率は14.6%で、歴代の大河ドラマの中では4番目に低い数字となった。 近年のNHKの大河ドラマといえば、2012年に放送された松山ケンイチ主演の「平清盛」が年間平均視聴率12.0%でワースト記録を更新するなど、苦戦が続いている。過去10年間の作品の年間平均視聴率を見てみると、2006年放送の仲間由紀恵主演の「功名が辻」、2008年放送の宮崎あおい主演の「篤姫」、2009年放送の妻夫木聡主演の「天地人」を除く7作品が平均視聴率20%を切っているのが現状だ。福山雅治が主演し話題となった「龍馬伝」も、20%を切っている(18.7%)。 ■期待はずれだった「八重の桜」 NHKサイドとしても、前作の「八重の桜」に関して、大河ドラマの人気巻き返しを期待していたようだが、結果的には厳しい数字となった。 芸能評論家の三杉武氏は語る。 「過去の大河作品では『春日局』や『おんな太閤記』、『篤姫』など女性を主人公にした作品の健闘が目立つとはいえ、歴史上の人物としては知名度のそれほど高くない新島八重を主人公にしたのは、かなりの冒険だったのではないでしょうか。『篤姫』の好結果を引きずり過ぎている感もありますね。主演の綾瀬さんは人気ドラマ『JIN-仁-』シリーズでの好演が評価されるなど、時代ものでの実績もあるだけに、なおさら惜しい印象です」