【野菜作りのQ&A】収穫を終えた野菜を畑に埋め戻してもよいの?
『やさいの時間』の「みんなのマルシェ」のコーナーでは、おなじみの講師が読者のみなさんからいただいた野菜作りに関するお悩みにお答えしています。10・11月号から、収穫した野菜の保存方法についてのQ&Aをご紹介!
収穫を終えた野菜を畑に埋め戻してもよいですか?
残渣(ざんさ)を畑に埋め戻せば、分解されて、やがて野菜の栄養分になります。しかし、そのまま畝(うね)に埋めるのは、おすすめではありません。 土に埋めた残渣は、土壌動物や土壌微生物により分解されますが、このとき、野菜の根をかじる土壌動物も寄ってきます。 また、分解の初期には、野菜の生育を妨げるアンモニアや有機酸などが発生することがあるので、次作の作付けは、土壌微生物による分解が一段落するまで(夏場で1か月弱、冬場で2か月強)、待つ必要があります。 残渣は、堆肥化してから畑に施すか、通路や畑の片隅に積んで、原形がわからなくなるまで分解してから土に戻すとよいでしょう。 残渣を生のまま畝の表面に敷く方法もあります。果菜類の主枝(しゅし)など、堅い部分は除き、タネまきや植えつけのためのスペースを空けて敷きます。 教えてくれた人/佐倉朗夫(さくら・あきお) 元明治大学農場特任教授。有機栽培研究家。神奈川県農業総合研究所や民間企業等で、有機栽培の研究、普及活動に取り組んできた。できるだけ手をかけず、可能な限り自然にまかせる野菜作りを理想としている。『家庭菜園 やさしい有機栽培入門』(NHK出版)など著書多数。 ●『やさいの時間』2024年10・11月号「みんなのマルシェ」より