国会周辺、緊迫の仕事納め ダイハツ従業員ため息
多くの企業や官公庁が28日、仕事納めを迎えた。政治家が捜査対象となる事件が続き、緊迫した年の瀬を迎えた国会周辺からは「全く落ち着かない」と悲鳴が上がる。車両の認証不正が発覚したダイハツ工業では、先行きが見通せない状況に、従業員らがため息をついた。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への対応に奔走した文部科学省や、五輪招致を断念した札幌市からは新年への決意も聞かれた。 国会閉会中のため国会議事堂周辺の人出は少なかったが、東京地検特捜部の捜査の動きを受け、カメラを構えた報道陣の姿もあり、緊張感が漂っていた。自民党のある議員は「事件の捜査がどこまで広がるのか…」と不安な心境を吐露した。 ダイハツは問題発覚を受け、国内で完成車工場の生産と出荷を全て停止したまま。早朝、大阪府池田市の本社工場に出勤した男性(60)は「早く仕入れ先への補償や信頼回復をしたい」と話した。 10月に旧統一教会の解散命令を東京地裁に請求した文科省の幹部は「被害者の証言集めに苦労したが無事請求できてほっとした」と振り返った。