タカ派のFOMC、インフレと不確実性が鍵-4連銀総裁が相次ぎ発言
(ブルームバーグ): 米クリーブランド連銀のハマック総裁は先の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で反対票を投じた理由について、インフレ抑制がさらに進展するまでは金利を据え置くべきだと考えていることを挙げた。
FOMCは17-18両日に開催した定例会合で、主要政策金利を0.25ポイント引き下げることを決定。3会合連続の利下げとなった。
ハマック総裁は金利について、景気を促進も抑制もしない中立的水準に近いと考えていると説明。経済活動を緩やかに抑制する程度に高い水準で金利を「当面は」維持すべきだとの考えを示唆した。
20日の発表文で同総裁は、「金融政策が中立的なスタンスからそう遠くないという想定に基づき、インフレ率が目標の2%への軌道を回復しつつあることを示す新たな証拠が得られるまで、政策を据え置くことを望む」とした。
さらに「インフレ率が2%を超える状態が長く続けばインフレ期待が不安定になるリスクがあり、そうなればインフレ率を目標に戻すのがより難しくなるだろう」と続けた。
次期トランプ政権
一方、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁はCNBCとのインタビューで、トランプ次期米大統領が提案している政策を自身の経済予測に織り込み始めたことを明らかにした。金融政策は来年の不確実性に十分対応できるとも述べた。
「私個人の予測として、財政や移民といった政策に関する考えをいくらか織り込んだ。これらの要素は経済の先行きを考える上で重要だからだ」とウィリアムズ総裁は発言。「不確実性が著しいことをただ強調しておきたい」と続けた。
最新のインフレデータについて、ウィリアムズ総裁は「心強い」と語った。当局が目指す2%への道は起伏が激しいが、金融政策は適切だと指摘。当局のスタンスを「いくらか抑制的」と表現した。
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極めて妥当
サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、FOMC参加者による予測中央値で示唆された来年2回の利下げについて、「極めて妥当」だと発言。利下げペースを減速できるとの認識を示した。