定期便化実現を 出雲―ベトナムチャーター便運航 島根県内企業はビジネス面での効果に期待
山陰中央テレビ
島根県の出雲空港とベトナムを結ぶ直行チャーター便が12年ぶりに運航されました。島根県として悲願の定期便へ関係者が期待を寄せています。 25日、出雲空港に到着したチャーター便。出雲とベトナム・ハノイを結ぶ直行チャーター便で、5月25日と29日にそれぞれ1往復運航されます。出雲とベトナム間のチャーター便は、2012年以来12年ぶりです。 ベトナムからのツアー客: 島根のお寺や温泉に行きたい。 ベトナムからのツアー客: 松江城を観光して海を見たい。 座席数170に対し、ベトナム発・出雲発ともに予約率は9割越え。この日降り立ったベトナム人観光客は、松江城周辺をはじめ、山陰・山陽をめぐるツアーに参加しました。 このチャーター便をきっかけに島根県が見据えるのは、定期便化です。 島根県・丸山知事: 本日は単独チャーターとなりますが、これを連続のチャーター、ひいては定期便ということに結びつける飛躍の第一歩にしていきたい。 これまで出雲空港には、韓国や中国など数カ国との間で国際「チャーター便」の運航実績はありますが、国際「定期便」は実現していません。このチャーター便を足がかりに将来的な定期便化を目指しています。早期の定期便化を望む声は、県内企業からも出ています。 研電社・石飛龍一社長: 排水処理で用いる汚泥の脱水機になります。楕円板が回ることによって固形物が詰まっても目を掃除する。ベトナムも環境関連に意識が高まっているので、日本の製品が好まれるようになってくると思う」 排水処理装置などを手がける出雲市の研電社は、2019年にベトナム最大の都市、ホーチミンに進出しました。出雲市の本社には、機械の設計を手がけるベトナム人社員もいます。国内外で1000台以上出荷してきた排水処理装置もベトナムでの導入実績はまだ数件です。それでも海外部門が占める売上の割合を現在の1割から3割以上へ伸ばそうとする中、ベトナムは重要な市場と位置づけます。 研電社・石飛龍一社長: 定期便があると、メンテナンス要員の派遣とか、スムーズになる。大きな強みになるかと思う。 ベトナムに可能性を見出す企業は松江市にも。お茶の老舗・千茶荘では、通訳業務などに携わるベトナム人社員が働いていて、話している相手は現地ベトナムにいるスタッフです。 千茶荘・原田由美常務: ベトナムでは、お年寄りもお茶を飲んで休憩しながらという文化があるので、出雲から飛べるとなると、なかなかないことなので便利になるのでは。 千茶荘も2017年にベトナムに進出、飲食店などへお茶や抹茶などを卸していて、約200店舗で商品が扱われているといいます。 ベトナム人社員・ファンクエンさん: ベトナム人もお茶が好きなので、松江のお茶や文化も伝えていきたい」 観光分野だけでなく、県内企業からも期待が寄せられるベトナムとの定期便。運航するベトナム航空の幹部も今後もチャーター便の運航に意欲を見せています。 ベトナム航空日本支社 ゴー・シー・アイン総支配人: 最大限の努力、飛行機の機材の確保等において努力をさせていただく。今後更なる往復の便が実現するものと思います。 悲願の国際定期路線実現の一歩となるのか。島根県の丸山知事も現地でトップセールスを展開していて、定期便に向けた足がかりをつかみたいとしています。
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