大田泰示、古巣に「恩返し」 DeNAスタッフ打診も巨人アカデミーコーチへ【プロ野球12球団去る人】
DeNAを戦力外になった大田泰示外野手(34)は悩んだ末に古巣・巨人のアカデミーコーチとして第2の人生を歩み出すことを決めた。 【写真】巨人→日本ハム→DeNAで16年戦った大田 16年間の現役生活を終えた大田は充実した表情を浮かべた。3球団でのプロ生活を「いろんなことを学んで実践して、後輩やチームのことを考えられるようになった。いい16年だったかな」と振り返った。 東海大相模からドラフト1位で巨人に入団。松井秀喜の背負った55番を託されるも、順調に進まなかった。「言動、行動、立ち居振る舞いを伝統のある球団では勉強させてもらった。遠回りはしたけどいろいろチャレンジをしてなかなか結果が出なかった8年」。移籍した日本ハムで野球の楽しさを学んだ。自由契約となり3球団目のDeNAでは若手へ助言を送るなど立場を認識して過ごせた。 戦力外通告と同時にDeNAからスタッフ転身の打診を受けたが、迷いに迷って他球団ですぐに連絡が届いた巨人の要請を受けた。「在籍時にレギュラーを取れなくて、期待もしてくれたけど花が開かなかった。恩返しをしたいとずっと思っていた」と、古巣へ戻ることを決めた。 今後は幼稚園の年中から小学6年生までの子ども達を対象に指導をする。「アカデミーに入って途中で違うことを好きになってもやり続けたら、また違う道が切り開けたりする」。苦労人が子どもたちの道しるべになる。(DeNA担当・内藤 菜月) ◆大田 泰示(おおた・たいし)1990年6月9日、広島県生まれ。34歳。神奈川・東海大相模から2008年ドラフト1位で巨人入団。16年オフに日本ハムにトレード移籍後、レギュラーに定着し、19年に自己最多20本塁打。20年にはゴールデン・グラブ賞。21年オフに自由契約となりDeNAへ。通算907試合で718安打、打率2割5分9厘、84本塁打、343打点。188センチ、96キロ。右投右打。既婚。
報知新聞社