「ジェンダーって何?」の時代にブレイク!石井明美が明かす、強いられた“大人の夜の女”イメージ
『男女7人夏物語』(TBS系)といえば、1986年に明石家さんま主演で大ヒットした昭和ドラマ史に残る名作のひとつ。その主題歌『CHA-CHA-CHA』を歌ったのが石井明美で、デビュー曲で一躍ブレイクを果たしている。 【写真】「若い子にはミニスカがウケる」不変の魅力で愛され続ける石井明美
「売れないと思ってました」
さぞや期待の大型新人だったかと思いきや、 「売れないと思ってました。私もそうだし、周りも売れるはずないと思ってた。何しろ当時はまだ歌手としてレッスン生の段階でしたから」 とは意外な言葉。実は、石井の主題歌歌手への起用にはこんな経緯が─。 「もともとあのドラマは試作だと聞いていました。芸人さんが俳優としてドラマに主演するのはあれが初めてだったんです。ドラマ自体当たるかどうかわからないから、主題歌も事務所のイチオシ歌手を使うわけにはいかない。そこで入ったばかりの私に任せとくかとなった。小手調べという感じだったと思います」 ところがドラマは最高視聴率30%突破を記録。石井が歌う主題『CHA-CHA-CHA』も、オリコンランキング年間1位という快挙を成し遂げる。予想外の大ヒットに当人はおろか関係者全員、驚いた。周囲は騒がしくなり、プロモーションにも改めて力を入れた。 「レコード会社の方たちとみんなでおそろいの法被を着てテレビ各局を回りました。団体でどっと押しかけて、ノベルティーを配るんです。私のノベルティーはスイカ(笑)。イメージが夏だったので」 当時はちょうどバブル景気が始まったころ。芸能界はひときわ華やかで、「お金のかけ方が今と違った」と振り返る。 「打ち合わせにしろ、取材にしろ、ちょっとしたことでリゾートに繰り出してましたね。事務所で取材を受けている今とは大違い(笑)。雑誌のスチール撮影をフランスでする、なんてことも普通にありました」 『ザ・ベストテン』(TBS系)をはじめ、音楽番組にもひっぱりだこ。番組にかけられる予算もまた今とはケタ違いだ。