NISAには「攻&守」で挑む 資産3億円築いた弐億貯男氏の独自戦略
2024年3月4日発売の「日経トレンディ2024年4月号」では、「お金を稼ぐ&増やす方法」を特集。「2020年までに、株式投資で2億円をつくる」という目標を掲げ、元手250万円から約18年かけて達成した、弐億貯男氏。同氏は、これからNISAを活用して、投資信託の積み立てや株式投資に取り組もうとする人には、攻防一体の戦略を勧める。 ※日経トレンディ2024年4月号より。詳しくは本誌参照 【弐億貯男氏】 現役サラリーマン投資家。忙しい営業職でも実践しやすい割安成長株の中長期投資で、年率30%をキープ。19年に資産2億円を達成し、29年に5億円を目指す。著書に『10万円から始める! 割安成長株で2億円』(ダイヤモンド社)など 「2020年までに、株式投資で2億円をつくる」という目標を掲げ、元手250万円から約18年かけて達成した、その名も弐億貯男氏。現役サラリーマンでもある同氏は、着実に資産を増やすスタイルが身上だ。 これからNISAを活用して、投資信託の積み立てや株式投資に取り組もうとする人には、攻防一体の戦略を勧める。つみたて投資枠の推薦商品は「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」。選定理由は、信託報酬が最安水準であることと、成長投資枠で日本株を買う場合に分散投資になるためだ。「新NISAの開始を契機として、信託報酬の引き下げ競争も激化の様相を呈している。投信積み立てをするには有利な状況といえる」(同) 成長投資枠では、弐億貯男氏が普段からメインで購入しているという割安成長株を推す。「多少、日本株の相場が下がったり、購入タイミングに失敗して高値づかみをしたりしても、2~3年後には含み益を見込める銘柄が多いのがメリット。リスクをあまり取りたくない人にも薦められる」(同)
IPO株を申し込んで初値売りを狙うのも有力
銘柄選びの基準は、まず売上高成長率が10%以上であることで、「20%以上だとより好ましい」(同)という。PERは15倍程度以下が目安だが、同業他社と比較して高い場合は、基準以下でも注意する。 今の狙い目としては、看護や介護領域での人材派遣などの事業を展開するトライト(東グ・9164)や、マンション向けにサブスクリプション形式でIoTサービスを提供するブロードエンタープライズ(東グ・4415)などを挙げる。いずれも、医療や住宅関連と、社会インフラとして欠かせない事業を展開しているという共通点もある。「主力事業が“生活必需”かは重要な視点。成熟市場でも2~3年スパンならシェア拡大による成長が見込める」(同) また、前述の2銘柄は上場がここ数年以内。弐億貯男氏はIPO(新規株式公開)株狙いも有力な手段だという。自身も過去に、「比較。com」などを運営する手間いらず(東ス・2477。当時の社名は比較。com)では、上場初日の初値売りで、225万円もの利益を出したという実績もある。IPO株を上場前に購入するため、事前に投資家の需要をとりまとめるブックビルディング期間に申し込むことはもちろん、上場直後に購入し値上がりに期待する「セカンダリー投資」などに取り組んでみるのも良い方法だ。 利益確定は、基本的には購入時より30%以上値上がりした時を目安にしているという。また、まず買うときに「この銘柄は5倍の成長に期待できる」「これは2倍まで」など、事業規模や将来性を踏まえて、売却タイミングのイメージを持っておくのが重要。到達した時点で、IR情報などから保有を続けるかは再検討するものの、売却するタイミングの基準となっている。 注)「お金を稼ぐ&増やす方法」は、「日経トレンディ」2024年4月号に掲載しています。
髙田 悠太郎