業界人が語る「見たい/見たくない」秋ドラマ6選。「魅力が発揮されていない」主演女優も
シリアスな展開を描けるか疑問が残る『ライオンの隠れ家』
「期待外れに終わってしまいそうなのは、10月11日からスタートする柳楽優弥さん主演の『ライオンの隠れ家』(TBS系、金曜午後10時~)ですね。 同作は、自閉スペクトラム症の弟と暮らす主人公の元に、突如“ライオン”と名乗る少年が現れ、預かることになり……といったところから始まるヒューマンサスペンス。 柳楽優弥さんや坂東龍汰さんといった俳優陣の演技力は目を見張るものがあるのですが、『おっさんずラブ』シリーズ(テレビ朝日系)や『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)のヒットで知られる徳尾浩司さんの脚本がやや不安要素です。 軽快なタッチやセリフのうまさは認めるところですが、『恋はDeepに』(日本テレビ系)や『unknown』(テレビ朝日系)ではストーリーが入り組みすぎたり、強引なオチになったりする傾向が見られました。なので、同作もプロデューサーや制作陣がうまくバランスを取ってくれないと、序盤で視聴者が離れる可能性がありますね」 高視聴率作品も多いTBSの金曜10時枠だけに、ストーリーの面白さが明暗を分けそうだ。
海外方式のライターチームが手掛ける『3000万』
また、恋愛映画やネットドラマを手掛ける30代の若手脚本家・C氏が脚本家目線で語ってくれた。 「一番注目しているのは、安達祐実さんが主演を務める『3000万』(NHK、土曜午後10時~)です。あることをきっかけに現金3000万円を手にした家族の波乱万丈な顛末を描いていくのですが、全く先の読めない展開になっており、近年稀にみるハラハラするドラマです。 同作は、NHKが立ち上げた脚本開発に特化したライター集団に所属する4人の脚本家による共作だそうで、海外では主流の共同脚本を採用しているチャレンジングなところも面白い点です。 どうしても設定がうまい、セリフがうまい、キャラクター像を作るのがうまいなど、脚本家によって長所と短所はあるので、そこを補い合えているドラマだと感じます。最終回まで楽しみです」