立川左平次、志の輔出演は「あんころ餅の御利益」25周年記念落語会「横浜のサヘイジ」
落語立川流の立川左平次が5月26日、活動25周年を記念した落語会「第7回 横浜のサヘイジ ~立川左平次25周年記念落語会~」を横浜にぎわい座 芸能ホール(横浜市中区)で開催する。ゲストに立川志の輔、寒空はだか。 【写真】ゲストに寒空はだかも出演する「第7回 横浜のサヘイジ ~立川左平次25周年記念落語会~」 早くから生きづらさを感じていたという左平次は、同世代が小室ファミリーやJリーグに夢中になる中、アナログの世界に逃げ込むように落語と出会った。関内大ホールで初めて見た立川談志独演会の驚きを「枕で世相を切る度に天井が突き抜けるほど1000人の観客が大爆笑。噺に入ると『国訛り』から『勘定板』、休憩挟んで人情噺……。そのギャップに衝撃を受けました」と語る。その後、アルバイト代を貯めては立川流の追っかけに興じ、19歳の時には「絶対に立川左談次の弟子になる」と落語家を志すように。1999年に快楽亭ブラックに入門。紆余曲折あって立川左談次門下に移籍し、2015年に真打に昇進した。 この25年で印象に残る出来事を聞くと「苦い思い出は真打昇進披露の会。浅草公会堂に手売りのみで1100人のお客様を集め、私以外に師匠の左談次、志の輔、談春、生志、寒空はだか。私はネタおろしの紺屋高尾を演じたのですが稽古不足でボロボロ、お祝いで来場したあたたかいお客様の前で35分間どっちらけでした。おまけに専門の音響を入れたにもかかわらず音が回ってしまい、1階席のお客様に全ての演者の声が明瞭に届かなかったんです。お客様に本当に申し訳なく、半年ぐらい落ち込んで立ち直れませんでした」と左平次。
ゲストの立川志の輔には「渋谷の東邦生命ホール時代から独演会に通い、『紺屋高尾』を聞いた時の感動たるや、制作費何百億のハリウッド映画を上回るすごさに驚愕しました。その後、関内小ホールでスタートした独演会に空席があることにも驚いて、志の輔を知らないまま生きている神奈川県民、横浜市民はもったいないって本気で思いました。当時、ラジオでお弟子さんが辞めていく話をたくさんされていたので、志の輔師匠に弟子入りというのは一切考えませんでしたが、今でも私にとって志の輔師匠は生き神様です」と感謝する。 当日の演目は「一席は立川ぜん馬師匠直伝の『黄金餅』をやります。昨年から部屋に神棚を飾っていて、2月26日の朝、深く考えずにあんころ餅をお供えしました。その日の午後に今回のゲストを決めなくてはと、絶対空いているはずがないと思いながら志の輔師匠のマネージャーさんにお電話したのですが、5月26日が日曜日なのに空いていることに気づいて “あれ?” と考えていたタイミングだったそうで即OKをいただきました。その後、震えながら志の輔師匠にお礼のお電話をさせていただき、実現の運びとなりましたが、きっとあんころ餅の御利益です」。 会場の横浜にぎわい座は落語、漫才、大道芸など、大衆芸能の専門館。「開館した時にはすでに入門していましたが、これでようやく横浜を中心に、神奈川県民の皆さんに演芸の楽しみが広く伝わるのかとうれしく思いました。これからも定期的にこの横浜にぎわい座で『横浜のサヘイジ ~立川左平次落語会~』を意地でも続けます」と意気込む。「第7回 横浜のサヘイジ ~立川左平次25周年記念落語会~」は5月26日(日)13時30分~、横浜にぎわい座 芸能ホールにて。料金は予約・前売り3500円、当日4000円。