豪、ナウルと安保・経済協定締結 1.4億豪ドル支援 中国に対抗
Renju Jose [シドニー 9日 ロイター] - オーストラリアは9日、太平洋の島しょ国ナウルとの間で経済・安全保障協定に署名した。5年間で1億豪ドル(約6400万米ドル)の直接財政支援を行うほか、安全保障を強化するための4000万豪ドルの支援を約束した。この地域で影響力を強める中国に対抗する狙いがある。 豪州が太平洋島しょ国との間で結んだ安全保障協定はツバルに続き2件目。ソロモン諸島が2022年に中国と安全保障協定を締結、中国が今年9月に訓練用の模擬弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイルを太平洋に向けて発射したことを受け、豪は中国の動きに神経を尖らせている。 豪とナウルが署名した協定によると、中国海軍がナウルの主要港を使用するには、ナウルは豪に事前に通知し同意を得なければならない。 オーストラリアのアルバニージー首相とナウルのアデアン大統領は共同記者会見で、新たな協定は第三国が安全保障上の目的でナウルの重要インフラにアクセスすることを防ぐと説明した。 協定によると、オーストラリアはナウルの銀行業務に責任を持つほか、教育、保健、その他の分野について、財政支援を提供するという。 アルバニージー氏は「隣国の経済的安定は地域全体に利益をもたらす」と述べた。 また、オーストラリアは今後もナウルの主要な安全保障パートナーであり続けるとし、ナウルの警察活動と国家安全保障のニーズを支援するため、新たな投資を約束した。 アデアン氏は「われわれは経済の多様化、革新的な機会の模索、地域の平和と安定の維持を続けながら、独自の開発課題に取り組もうとしているが、オーストラリアの揺るぎない支援に感謝する」と述べた。 ナウルは世界で3番目に小さい国でオーストラリアの通貨を使用している。今年1月には台湾と断交し中国と国交回復。その後、中国銀行はナウルでのビジネス機会を探るための協定に調印した。 アルバニージー氏によると、新協定に基づき、ナウルの銀行サービスは来年に営業を開始する豪コモンウェルス銀行(CBA)によって維持される。