《“男女バディドラマ”ランキング》『ガリレオ』『リーガル・ハイ』を抑えた「美男美女のWボケドラマ」
男女バディものは刑事&ミステリードラマと法曹ドラマが多いが、3位にランクインしたのは弁護士ものの名作『リーガル・ハイ』('12年ほか フジテレビ系)。 堺雅人が演じた変人弁護士・古美門のインパクトがとにかく強烈で、新垣結衣扮する若手弁護士・黛が振り回される。 「堺さんの早口長ゼリフが最高。ガッキーとの掛け合いも面白かった」(北海道・55歳・男性)、「性格的に相いれない2人が理解し合っていく展開がよかった」(兵庫県・54歳・男性) 「ミステリーと法曹ものが多いのは、男と女が力を合わせて真実を追い求めるという構図が収まりがいいんでしょうね。『リーガル・ハイ』は人格破綻者の古美門と朝ドラヒロインのような品行方正で前向きな黛という王道男女バディもの。 堺雅人さんの役者としての凄みを見せられた作品ですが、ガッキーの的確なツッコミも素晴らしく、彼女が物語を動かしていった感じもあります」(カトリーヌさん)
1位には小ネタ満載のWボケコンビが
2位は福山雅治主演の人気ミステリー『ガリレオ』('07年ほか フジテレビ系)。バディは新人刑事役の柴咲コウなどが務めた。 「福山さんと柴咲さんの噛み合わない会話が妙におかしかった」(大阪府・52歳・男性)、「くっつきそうでくっつかない2人の微妙な距離感もよい」(神奈川県・42歳・女性) 「クセ強教授探偵と新人刑事という王道ミステリーですが、扱う事件はポルターガイストや人体発火のようなオカルティックなものが多く、それを科学的に解決していくというのが斬新でした。 実は東野圭吾さんの原作では、バディ役は北村一輝さん扮する草薙刑事なんですよね。月9だしヒロインが必要ということで柴咲さんの内海薫という役が作られた。しかも、逆に東野さんは途中で原作に内海を登場させちゃった。さすが実写化に慣れてらっしゃる(笑)」(カトリーヌさん)
そして、男女バディといえばやっぱりこのドラマ。『トリック』('00年ほか テレビ朝日系)の仲間由紀恵演じる自称天才マジシャン・山田奈緒子&阿部寛演じる自称天才物理学者・上田次郎コンビが1位に輝いた。 「淡々かつシュールな2人の掛け合いが面白かった」(埼玉県・41歳・女性)、「小ネタ満載の堤ワールドに阿部さんと仲間さんのきてれつなキャラがハマっていた」(熊本県・55歳・女性)などあの世界観を今でも愛する人は多い。 「男女バディものといえばこのドラマが思い浮かぶ金字塔的作品です。唯一、『トリック』だけがボケとツッコミではなくWボケなんですよ。仲間さんと阿部さんという正統派の美男美女が、どちらもクズキャラを演じたのも画期的。 オカルティックな謎を物理学で解いていくという構造はのちの『ガリレオ』を先取りしていますが、こちらは科学的ではなく手品的なトリックでした。 小ネタを入れながらシュールな世界を展開していくという堤ワールドが花開いた作品でもあります。 『ケイゾク』の中谷さんもそうですけど、堤監督は正統派美人女優をボケ役に仕立てるのがお上手ですよね」(カトリーヌさん) 6位の『アンフェア』('06年 フジテレビ系)や8位の『ストロベリーナイト』('12年 フジテレビ系)のようにダークな世界観のシリアスな刑事ドラマの場合は、クールな女性刑事と熱血な部下という組み合わせになりがち……と、男女バディものの型はある程度できあがりつつある。 「最近は昨年の市役所の税務課を舞台にした『ゼイチョー~「払えない」にはワケがある~』や、'22年の公正取引委員会を舞台にした『競争の番人』のようにあまり知られていない職業をドラマ化する際、男女バディで両方の目線を作って描くパターンが多い。仕事自体の説明がしやすくなるんでしょうね。 ただ、男同士や男女バディがこれほどあるのに、女性同士のバディものがほとんどないのは残念です。メインキャストに男性がいないと企画が通りにくいなどいろいろ理由はありそうですが、クズな女2人のバディものとか見てみたいですよね。バカリズムさんは女の本性を描くのがお上手なので、お願いしたいです(笑)」(カトリーヌさん)