柿ノ木代の棚田で「どろリンピック」 鴨川(千葉県)
田植え前の水田で泥んこスポーツを楽しむイベント「鴨川どろリンピック2024」が28日、鴨川市川代地区にある柿ノ木代棚田で開催された。地元安房地域を中心に東京都、神奈川県、遠くは群馬県などから、親子ら58人が参加。夏を思わせる日差しの下、泥まみれになりながら3種目を争い、盛り上がった。 「長狭米」ブランドなど、関東有数の米どころである同市で、棚田の文化や景観に親しんでもらおうと、同市のスポーツコミッション「ウェルネスポーツ鴨川」が主催。オーナー制度などで棚田保全活動に取り組む、川代集落の協力で開催しており4回目。 競技は団体戦で、5チームに振り分けられた参加者は▽ペアで1人が浮き輪に乗って1人が引いて走るリレー「どろんこスライダー」▽ビーチフラッグスを模した「どろんこフラッグス」▽どろんこサッカー――を争った。 昨年に続き2回目の参加という南房総市の小学3年生、加藤聖也さん(8)は「田んぼの中は、うまく走れないけど楽しかった。気持ちいいです」と、泥でパックされた顔に白い歯をのぞかせた。 会場となった柿ノ木代棚田は、江戸時代から耕作されている歴史ある棚田で、農林水産省の「つなぐ棚田遺産」に認定されている。 川代集落の庄司祐輔代表(77)は「イベントを通じて都市部の人たちに、地域の魅力を体で感じてもらいたい。また、同じ中山間地域の衰退に悩む人たちには、どろリンピックをはじめ、棚田オーナーとの交流、草刈りをスポーツにした大会など、長狭地域の取り組みを地域活性化の参考にしてもらえれば」と話していた。 イベントの様子は、本紙の公式YouTubeチャンネルで公開している。