【Playback箱根駅伝】第20回/専大 悲願の初優勝! 2区から4区の連続区間賞でリード広げる
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第20回箱根駅伝総合成績をチェック
第20回(1939年/昭和14年) 早大、慶大、明大、法大が不参加 5連覇狙った日大は踏切のアクシデントに泣く
前年に続いて駅伝有害論を唱えて出場を辞退した早大、慶大に加え、明大と法大の不参加が決定。前回より2校少ない10校でスタートした。 第1回大会出場校のうち、3校が不在となるレースで主役となったのは前回に繰り上がりながら2位となった専大だった。 1区こそ6位と出遅れたが、2区の高瀬敏夫が5人をごぼう抜き。区間2位に4分21秒差をつける圧倒的な走りで首位に立った。 さらに勢いをつけたのは3区の山下勝。3年連続の起用でコースを熟知する山下はトップを激走。工事の影響で一部コースは異なるものの、ベルリン五輪の5000mと10000mで4位入賞の村社講平(中大)が3年前に出した記録を2分33秒も上回る驚異のタイムをマークした。 5区では前年まで3年連続区間賞の日大・鈴木房重や村社が追い上げる展開となったが、専大は金三植が村社と1秒差の区間2位で凌いで初の往路優勝。5連覇を狙う日大に13分26秒の大差をつけた。 だが、日大は復路で猛反撃を見せる。12分27秒差でタスキを受けた8区の郷野喜一が区間新記録の快走。専大の細野博も区間2位と粘ったが、一気に6分45秒まで差を詰めた。 さらに日大は9区の明地邦整も区間賞で5分30秒差。10区でも石田正己が猛烈に追い上げ、専大との差を大きく詰めていく。それでも専大は青山義が何とか逃げ切り、出場6回目にして悲願の初優勝。現在に至るまでこれが専大にとって唯一の総合優勝である。 日大は1分47秒差の2位に終わり、5連覇とはならず。9区の明地がスタート直後に戸塚大踏切につかまり30秒ほどのロスを強いられ、踏切待ちがなければ勝負の行方も変わったかもしれないと言われている。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
月陸編集部