ブシュロンのハイジュエリー、まるで現代アート 「明るく軽快」が持ち味
贅を極めたジュエリー最前線(15)BOUCHERON
これはハイジュエリーなのか、それとも現代アートなのか。ブシュロンはあまりにも大胆な最新コレクション「モア イズ モア」で旧来の宝飾品へのアンチテーゼを提示してみせる。 【写真はこちら】大胆で鮮やか 「リングじゃない」という名のリング ブシュロンの最新作「モア イズ モア」は、コロナ禍で各国の大都市がロックダウンされている最中にプロジェクトがスタート。このため、人々の不安を払拭し、楽しい気持ちを再び思い起こさせるような明るい色彩が多用されたのだという。 驚くのはアイデアの大胆さだ。花モチーフのネックレスは青や黒のラッカーを差し色にして、まるでグラフィックアートのように平面的に仕立てている。キューブ形のリングは、チタンやレジンを使って軽快さを実現。宝石と貴金属の価値に重きを置くという、これまでの宝飾品のあり方を覆す、意気込みの鋭いコレクションだ。 取材・文/本間恵子 編集協力/オフィス インターフェイス デザイン/高井真由美 [THE NIKKEI MAGAZINE LUXE 2023年11月3日号の記事を再構成]