ユーロ圏、賃金加速もインフレ低下に変化ない-エストニア中銀総裁
(ブルームバーグ): ユーロ圏の賃金は主要指標で伸びが加速したが、現在進行中のインフレ低下を脱線させてはおらず、欧州中央銀行(ECB)の6月利下げを阻止することもないと、ECB政策委員会メンバーのミュラー・エストニア中銀総裁が述べた。
24日にアイスランドのレイキャビクで行われたインタビューで、今週明らかにされた1-3月(第1四半期)のユーロ圏妥結賃金のデータには1回限りの支払いも含まれ、「やや強め」の数字が出てきたとミュラー氏は指摘。
「インフレ低下のトレンドが必ずしも崩れたとは考えていないという意味で、自分はあまり心配していない。ただ、状況の注視が必要であることを裏付けている。インフレ率をはじめ、賃金の伸びや基調的なインフレの指標などその他の主要変数が一直線に低下すると期待してはならないことも示していると思う」と続けた。
広く宣伝されているECBの来月の利下げ開始決定が迫る中で、焦点はその後の動きへと移っている。ビルロワドガロー・フランス中銀総裁は妥結賃金のデータを重視しない姿勢を示したが、データは年内に見込まれるECBの利下げ幅について投資家に再考を促した。
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原題:ECB’s Muller Says Wage Jump Doesn’t Derail Slowdown in Inflation(抜粋)
--取材協力:Alexander Weber、Kamil Kowalcze.
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Ragnhildur Sigurdardottir