両陛下即位後初めて岡山へ 6年前の豪雨被災地をご視察 「全国植樹祭」ご出席
「森林を健全な姿で未来の世代へ」
翌5月26日、両陛下は岡山県総合グラウンド体育館で開催された「第74回 全国植樹祭」の式典に臨まれました。式典の冒頭、能登半島地震の犠牲者に対し、2700人の出席者と共に黙とうを捧げられました。 豊かな森づくりを目指す「全国植樹祭」。陛下は、おことばの中で、森林の大切さについて述べられました。 《天皇陛下 おことば》「現在では『木を伐(き)って・使って・植えて・育てる』という林業のサイクルを循環させる取組が推進されるとともに、花粉の少ない少花粉スギやヒノキへの植替えが進められるなど、森林が守り育てられていることを喜ばしく思います。また、森林から生産される木材は、昔から住宅などの建築物を始め、家具や食器など様々なものに使われており、私たちの暮らしに欠かせないものとなっています。こうした恵みをもたらす森林を、健全な姿で未来の世代に引き継いでいくことは、私たちに課せられた大切な使命であると考えます」 続いて、両陛下は「お手植え」に臨まれました。陛下は、岡山県の木・アカマツ、少花粉のヒノキとスギの苗木を丁寧に植えられ、皇后さまは、アクラとも呼ばれる岡山市の木・クロガネモチ、アテツマンサク、キクザクラの苗木一本一本に土をかけられました。 「お手まき」では、陛下は花粉の少ないヒノキとスギの2種類の種、皇后さまは、ヤマザクラとイロハモミジの種をまかれました。 森林や緑を育てる活動がさらに発展していくことを願われた両陛下です。
西日本豪雨被災地ご視察 陛下「地域の方は本当に真備のことが好き」
式典終了後、両陛下は、平成30年7月の西日本豪雨で被災した倉敷市真備町に向かい、復興状況を視察されました。真備町は、当時、川の堤防が決壊し、町の約3割が浸水。災害関連死も含め、これまでに74人が犠牲になりました。 復興のシンボルとして整備された「まびふれあい公園」で、伊東香織 倉敷市長が当時の状況を説明すると、陛下は「ここがちょうど、決壊した場所なんですね」と確認しながらじっと耳を傾けられました。 また、現在、9割の住民が戻ってきていると聞き「地域の方は本当に真備のことが好きで、頑張っていらっしゃるんですね」と述べられたということです。 両陛下は、多くの犠牲者を出した地区に向かい深々と黙礼されました。 引き続き、地域の復興に尽力した被災者3人と懇談されました。 地元の祭りを再開したと写真を見せながら説明した男性に、陛下は「何が一番苦労されましたか?」と尋ねられました。 皇后さまは、被災者の生活相談や地域の見回りをしている女性に「被災されているからこそ、相手の気持ちがよく分かるんですよね?」と声を掛けられました。 お帰りの際、両陛下は「本当に皆さんが頑張られて、いい形で復旧・復興されていることが分かりました」と労われていました。 (「皇室ご一家」6月2日放送)
皇室ご一家