全国でわずか4例…横断歩道で車の一時停止を促す表示板 福井県大野市に設置、北信越地方で初
ドライバーに歩行者の存在を文字と警告灯で知らせる「横断者サポート表示板」が、福井県大野市のまちなか観光拠点「越前おおの結ステーション」前の信号機のない横断歩道に設置された。県警大野署によると同様の表示板設置は北信越地方で初めてで、ドライバーや歩行者の交通マナーや交通安全の意識向上につなげたいとしている。9月12日は除幕式があり、地元の幼稚園児らが横断歩道を渡った。 ステーション前の横断歩道は県警が設定する「取り締まり重点横断歩道」で、8月末に緑色にカラー化された。ステーション周辺は、県内外の観光客が訪れるほか、来年1月には屋内型子どもの遊び場が供用予定のため、来訪者や子どもたちの横断歩道での安全を確保しようと大野ロータリークラブ(RC)が中心となり設置。大野商工会議所や大野交通安全協会、大野市、大野署が協力した。 表示板は縦25センチ、横60センチ、横断歩道の標識の下、高さ約1・9メートルに設置された。横断歩道付近で立ち止まっている歩行者をセンサーが検知すると、表示板に「横断あり」の文字と警告灯が点灯。文字はドライバーから視認しやすいよう一定間隔で点滅を繰り返す仕組みで、6日から運用を始めている。大野署によると同様の表示板の設置は埼玉、宮崎、滋賀県に次いで全国4例目という。 除幕式には、関係機関の代表者や大野幼稚園の園児ら25人ほどが参加。大野RCの青木吉弘会長は「観光客も子どもも安全に横断歩道を渡っていただける」とあいさつ。式後、園児は大野署員から横断歩道の安全な渡り方などを学び、渡った。 日本自動車連盟(JAF)が昨年8、9月に実施した信号機のない横断歩道での車の一時停止率の調査で、福井県は全国ワースト3位。県内の今年の交通事故による死者のうち、道路横断中が7人で前年同期比6人増となっている。