番記者のちょっといい話 ロッテ・田中晴也、ウイニングボールは両親に
(パ・リーグ、日本ハム6-9ロッテ、14回戦、日本ハム9勝4敗1分、3日、エスコン)悔しさとうれしさの入り交じった記念の1勝だ。高卒2年目のロッテ・田中晴也投手(20)が5回を5安打5失点(自責点0)ながら打線の援護に恵まれ、プロ初勝利を挙げた。 根っからの野球小僧だった。田中晴は高校球児だった父・政弘さんの影響で、幼少期から週末は毎週のようにBC新潟の試合に連れて行ってもらうのがお決まりだった。小学生になると野球を始め、フライを捕ったり、ノックを受けるのが大好きで毎日のように練習。家に帰れば録画したプロ野球や米大リーグの試合を観戦し、左打ちに変えるほど当時はイチローに夢中だった。 野球を始めた当初から「俺はプロ野球選手になる」と宣言。父は「先を見据えて目標を立て、それを徹底的にやる姿は自分も野球をやっていたからこそ、すごいなと感じる」と目を細めた。母・靖子さんには好物のとん平焼きを作ってもらうなど栄養満点な食事でサポートしてもらった。 両親は6月1日のプロ初登板を球場で観戦し、この日は新潟の実家からテレビで応援。田中晴は「プロ野球人生で一球しかないメモリアルなボールなので大切にしたい」とウイニングボールは実家に送ることを明かした。(ロッテ担当・森祥太郎)