トランプ政権2期目、サムスンにチャンスか…「脱中国」で道が分かれたサムスン・アップル(2)
◆「脱中国」で道が分かれたサムスン電子とアップル 中国産製品に対する高関税はアップルのようにサプライチェーンに脆弱な企業に直撃弾となる。アップルのiPhoneはクパチーノ(アップル本社の位置)でなく「(中国)深圳」の産物と呼ばれるほど中国製造への依存度が高い。アップルはiPhoneからiPad、MacBookまですべての製品をほとんど中国にある台湾委託製造会社フォックスコンで生産する。iPhoneの場合、90%以上を中国で生産していると業界は推定している。米中の対立が激化するたびにアップルの懸念も強まる理由だ。グーグルピクセルフォンの生産拠点も中国に片寄っている。 サムスン電子は相対的に中国産の関税リスクから自由な方だ。中国内スマートフォン事業不振と人件費上昇などの影響で早くから中国サプライチェーンへの依存度を低めてきた。2019年に中国で運営していた最後のスマートフォン工場まで閉鎖し、ベトナムとインドなどでの生産比率を高めてきた。昨年ウォールストリートジャーナル(WSJ)は世界主要製造企業のうち脱中国を最も効果的にした優秀事例としてサムスンを取り上げたりもした。 サムスン電子はスマートフォン海外生産基地をインド・インドネシア・ブラジル・ベトナムなどに置いているが、グローバル供給物量の大多数はベトナム工場から出る。業界関係者は「米国がアップルに高関税を課すかは分からないが、最も大きなグローバル市場でアップルの価格が一部でも上がればサムスン電子には販売拡大の機会が生じるはず」と予想した。ただ「アップルが補助金を支給する方法で大々的に割引するなど米国以外の市場で力を注ぐ可能性がある」とし「サムスン電子やほかのグローバルメーカーが反射利益をそのまま得るとは考えにくい」と話した。サムスン電子側は今後の状況を注視し、製品の競争力を高めるのにまい進するという戦略だ。 ◆アップルの脱中国が加速か 一部ではトランプ氏のおかげでiPhoneのインド生産が増えるという見方も出ている。インド経済紙エコノミックタイムズは最近の報道で、中国産に対する高関税を実際に履行する場合、アップルがインドでのiPhone生産量を現在の年間150億ー160億ドルから2年以内に300億ドル以上に増やす可能性があると伝えた。台湾デジタイムも「アップルが潜在的な関税の影響を緩和してサプライチェーン中断を避けるためにインドの製造力量を拡大する可能性がある」と予想した。 アップルも製造の中心をベトナムやインドに移しているが、サムスン電子に比較すると速度が遅い。中国企業に委託製造する方式に長く依存してきたからだ。業界関係者は「サムスンは独自の製造技術力を持つため海外に基地を建設すればよいが、アップルは委託して製造し、その基盤が中国であったため、基地を移すのが容易でない」と説明した。インドのアップル機器生産工場では部品収率(良品の比率)が低く、最近は大規模な火災まで相次ぐなど過程が順調でない状況だ。