高知の高校野球、県決勝の野球部員全員観戦指令の賛否
確かに決勝を観戦させることの効果や目的が、もうひとつピンとこない。なぜ部員が減少傾向にあり、なぜ甲子園出場が一極集中しているのか、チーム間格差が広がっているのかなどの問題を、もっと深く分析、議論する必要があるだろう。公立校でも、練習手法などの工夫で強豪校と渡り合っているチームは、全国でいくらでもある。 チームによっては、甲子園の本大会を部員全員で見学にいくような機会を作るところが少なくない。これらは、チームモチベーションを高めるために、各チームの指導者が考えていることだが、どうせ強制観戦するならば、県大会の決勝よりも甲子園の本大会を見たほうが、活性化の効果は出るのではないか。 その一方で、何かの手立てを打とうとした、高知県高野連の姿勢そのものを評価する声があることも事実。地方の高校野球チームが置かれた現状に一石を投じた意義は大きく、簡単に批判することもできない。高校野球は学校教育の一環であるという原理原則の中で、どこまで抱えた問題に対峙するのか、いずれにしろ高知県高野連の試みの効果、反響には注目したい。