[MOM4875]福井商MF高木那由多(2年)_周囲を輝かせるチームに欠かせない黒子…「福井を変えたい」と決勝・丸岡戦に挑む
[10.27 選手権福井県予選準決勝 北陸高 1-1(5-6) 福井商高 テクノポート福井スタジアム] 【写真】影山優佳さんが撮影した内田篤人氏が「神々しい」「全員惚れてまう」と絶賛の嵐 決して派手なプレーをするタイプではないが、福井商高MF高木那由多(2年)がいるのといないのとではチームの出来が大きく変わる。北陸高との準決勝でもチームへの影響力を際立っており、高木謙治監督は「那由多は黒子に徹することができる選手。他の選手を輝かせる選手」と高く評価した。 今年に入ってから3-4-3のシャドーの位置でプレーするが、本職はボランチで本人も自信を覗かせるのは守備意識の高さと献身さ。「自分はとにかくチームのために走って、どんなボールにでも行く。セカンドボールに少しでも先に触ってやろうと思っていた。前の選手ですが点を取るプレーで貢献できない分、走力やセカンドボールで少しでもチームに貢献したい」。 技術力については謙遜的に話すが、決してテクニックがないわけではない。左利き特有の感覚と間合いが持ち味で、3トップを組むFW平田海成(3年)、FW杉田友輔(3年)と上手く連動して相手を崩す姿が印象的。足元で受けつつも、タイミングよく相手の裏に抜け出し、見せ場を作っていく。 この日は対応力の高さも目を惹いた。後半28分には中盤のフィルター役として機能していたボランチのMF森川太陽(2年)が足をつって途中交代。変わって、高木がボランチに下がった。本職とあって高木の動きは堂々したもので、アクシデントにも動じず上々のプレーを披露。「いつもは森川が泥臭い仕事をやってくれているので、自分がボランチに入っても森川がやってきてくれたことをやろうと意識していました。シャドーに入っていたときは本当に何もできなくてチームに迷惑をかけていたけど、ボランチに入ってから少しは貢献できた気がします」。 今ではチームに欠かせない存在となった高木だが、今春に右足首を怪我して苦しい日々を過ごしてきた。インターハイ予選には1試合も出られず、復帰したのは7月。ただ、自らの売りであった体力は低下し、夏休み期間は周囲の動きに付いていくだけで必死だった。「とりあえず走ってチームに貢献したい」。そう思っていた高木は、日々のトレーニングから人よりも多く走って、武器を取り戻したという。Aチームでコンスタントに出られるようになってからはプレー強度が高まり、自信も掴みつつある。 パトリアーレSABAEでプレーした中学時代と同じように、高校でも繋ぐサッカーがしたいと考え、福井商を選択。今年に入ってからより自陣からのビルドアップを徹底するサッカーにチームが切り替わり、やり甲斐を感じている。福井商を選んだ理由のもう一つは、「ずっと丸岡が全国に出ていて、福井を変えたいと思った」からでもある。決勝は目標を達成する格好のチャンス。高木らしく献身的なプレーを続けて、勝利に貢献する。 (取材・文 森田将義)