【’24歳末をゆく】「大分第九の夕べ」ファイナル公演 万感の思い込め、重厚で高らかな歌声
第46回大分第九の夕べ(大分合同新聞社共催)が22日、大分市高砂町のいいちこグランシアタであった。ベートーベン「交響曲第9番 ニ短調 作品125『合唱付き』」を響かせる演奏会。1977年以来、年末恒例の行事として続けてきたが、合唱団員の高齢化や減少で最後の公演となった。 奈良フィルハーモニー管弦楽団正指揮者の粟辻聡が大分交響楽団を指揮し、ソリストは県ゆかりの嘉目真木子(ソプラノ)、愛甲久美(メゾソプラノ)、児玉和弘(テノール)、押川浩士(バリトン)が務めた。合唱はNPO法人おおいた第九を歌う会と日豊「第九を歌う会」連合会から約170人が出演。ステージ後方に加えて花道まで団員が並び、客席にはほぼ満員の1900人を超える聴衆が詰めかけた。 最初に合唱用に編曲された「荒城の月」を届け、休憩を挟んで「第九」へ。繊細かつ力強いオーケストラ演奏と、万感の思いを込めた合唱団員の重厚で高らかな声がホールに響き、大きな拍手を浴びていた。 大分市の首藤芳郎さん(73)、フサ子さん(72)夫婦は「終わるのはもったいない。素晴らしかった」、約20回出演してきた合唱団員の木村慶子さん(44)=同市=は「第九は私が合唱を始めるきっかけをつくってくれたもの。これからも歌い続けたい」と話した。