「おたんじょうびおめでとう 俺たちの倉野さん」 V支えたソフトバンク投手力の背景にコーチと選手の風通しの良さ
◆記者コラム・タカ番24時 ソフトバンク倉野信次投手コーチが50歳の誕生日だった9月15日、自身の交流サイト(SNS)に写真を投稿した。いびつな形のホールケーキで、プレートには「おたんじょうびおめでとう 俺たちの倉野さん」。試合前に贈られたのだという。 ■デビュー前夜、高まる期待が幾重にも【写真】 尾形崇斗に聞いた。発案者はオスナだという。この日の試合前練習が始まる際、尾形が「今日は倉野さんの誕生日だよ」と教えると、オスナは「リアリィ(本当)?」と驚き、すぐ通訳に頼んでケーキを注文。救援陣全員でコーチ室に行ってプレゼントした。 写真を見ると、ケーキの上にのったプレートやフルーツが全体的に右にずれている。「オスナが〝顔面ケーキ〟をやれって言ってきたんですよ」。尾形がケーキを手にすると、オスナが「倉野さん、そのまま、かぶりついて」と呼びかけた。倉野コーチが食べようとした瞬間、尾形の手をオスナが下から押した。コーチの顔はケーキにめり込んでしまった。 オスナは「倉野さんは私たちにとって特別な存在なので何かしてあげたかった。(顔面ケーキは)楽しんでくれると思ってやってしまった。悪い意味じゃないです」と意図を話した。 「こんな素晴らしい選手たちのコーチをさせてもらって本当に幸せです」。倉野コーチのSNSには、写真とともに感謝のコメントが添えられていた。今季は先発、救援ともに主力が抜ける危機があっても、若手投手が奮闘しシーズン終盤のブルペン陣を支えた。こういった背景には、コーチ陣と選手の間に風通しの良さがあることは間違いない。(大橋昂平)