「コロナ禍を経て激変した」タイ・パタヤのゴーゴーバーに起きている〝変化〟はお客にとって得か損か
世界的に知られる〝夜の街〟が激変
「コロナ前と比べるとお店側の価格設定が強気になりました。お店の経営スタイルがより確実に利益を上げるシステムに変わったのです」 【10年以上前から人気店】パタヤ・ウォーキングストリートでかつて日本人だらけだった人気店 そう話すのは、タイ・パタヤのゴーゴーバー密集地帯である『ウォーキングストリート』に’18年頃から週3で通うという現地在住日本人のゴーゴーバー通・te’o氏。彼のブログに掲載しているウォーキングストリートのゴーゴーバーに関する詳細な分析とランキングはファンの間でも注目されている。 ’23年度には2300万人が訪れたというタイきってのビーチリゾート・パタヤ。ベトナム戦争時に米軍の保養地であったことから生まれたリゾートで、ビーチやマリンスポーツ以外に〝夜の街〟として世界的に知られている。 その中でももっとも観光客が集中する「ウォーキングストリート」はパタヤのビーチ沿いにある600mほどの通りだ。両サイドには海鮮レストランやライブバー、クラブなどが立ち並ぶナイトライフの中心地となっている。通りにはツアーの団体客なども行き来しており、深夜には歩くにも苦労するほどの大混雑ぶりだ。パタヤは風俗のジャンルもバラエティに富んでいるが、その中でも代表的なものが「ゴーゴーバー」。そして、ウォーキングストリートはゴーゴーバーの密集地でもあり、現在タイで一番ゴーゴーバーがアツイ場所なのだ。 ゴーゴーバーの発祥はベトナム戦争の頃だといわれている。店内にステージがあり、その上で複数人の水着(あるいはランジェリーやボンデージ風の衣装)姿の女性が踊っているというスタイルのバーだ。実際にはほとんどの女性は音楽に合わせて体を揺らしている程度だが、これはいわば「顔合わせ」。気に入った女性がいれば呼んで一緒に飲むことができる。さらにその先を望むのであれば、店側に「バーファイン」と呼ばれるお金を支払った上で店外に連れ出すこともできるというシステムだ。連れ出した後は食事に行くのもホテルに行くのも、夜の街を案内してもらうのも自由だが、女性に対しても「チップ」が発生する。チップの相場は「ショート」が3000バーツ、「ロング」が5000バーツほどだが、女性にもよる。 ◆コロナ禍で多くの店が閉店 人気の大型店ともなれば、いっぺんにステージ上に立つ女性の数は40人を超えることもある。ステージは交代制なので店内に出勤しているダンサーの女性の数はその3倍ほどいる勘定で、それだけの数の水着姿の女性がひしめく光景はかなり壮観だ。料金は基本ドリンク代のみ。ビール1本が180バーツ(1バーツは12月19日時点のレートで約4.5円)ぐらいなので、一晩に何軒もハシゴして飲み歩けるのが魅力。また、一般的には路面店で中を覗かせてくれるので、冷やかしの観光客でも入りやすいのが特徴だ。一応バーなので、あまり姿は見かけないが、女性の入店も可能である。 客層は100%外国人。バンコクもそうなのだが、パタヤのゴーゴーバーはコロナ禍には観光客がゼロになったり、長期休業を強いられたことで多くの店が閉店に追い込まれた。とくにウォーキングストリートは路面改修工事などのリニューアルをしたこともあって、その景色が一変している。コロナ前から健在な店もあるが、新たにオープンした店も多い。ちなみに’16年ごろの資料を見るとウォーキングストリートだけで50軒以上のゴーゴーバーが存在していたが、現在は30軒前後。ただし大型店が増えた。 そして、冒頭のコメントのようにゴーゴーバーの営業スタイルも変わり、そのことで、遊び方にも変化が出てきたとTe’o氏は語る。 ◆店は女のコを外出させたくない 「10年ぐらい前は1000バーツ以下だった『バーファイン』を最近では多くの店が2000バーツ前後に値上げしています。それは女のコをなるべく外出させないでドリンク代で確実に稼ごうという方針なのです。だから、例えばまだ開店して間もない早い時間帯に女のコを外出させようとすると、『バーファイン』に女のコのドリンク代を5杯ぶんほど上乗して請求されることがあります。 これは、女のコのドリンクのノルマを外出でできないぶん消化させるという口実ですが、ドリンクが出て儲かるのは結局店ですからね。また、店としては女のコが店で働いてくれたほうが稼げるので、なるべく外出させたくないんです」 そもそも「バーファイン」自体が、女性の外出によって店が負う損害に対する「罰金」的な意味合いのものだったはずなのだが……。ちなみに早い時間の外出でも、その時点である程度お店に落としていれば、余分なドリンク代を請求されることもないそうだ。だが、女性の外出が減ったことで良くなった部分もあるという。 「以前は女のコと飲んでいても、ママやスタッフが『連れ出せ』と、うるさくプレッシャーをかけてくることが多かったのですが、それがなくなりました。おかげで女のコと仲良くなりやすくなった印象です。最初からとにかく連れ出し目的で行くよりも、店である程度楽しむつもりで行ったほうがいいと思います」(Te’o氏) 筆者もコロナ禍以降、初めてゆっくりウォーキングストリートのゴーゴーバーを周ってみたが、女性を隣に座らせて飲んでいても、スタッフから露骨に「連れ出し」を営業されることはなかった。また、Te’o氏によると、「ドリンクノルマさえクリアすればそこそこ稼げるので、最近はガツガツした女のコも減った」とのことだったが、確かにむやみやたらとドリンクを強要する女のコが減った気がして、以前よりも居心地が良くなったようにも思えた。 お店の数こそ減ったが、その代わり1軒あたりの女性の数はかなり増えた印象だ。これも「連れ出し」が減ったおかげかもしれない。おカネと時間があれば、もっと遊びに来れるのだけれど。 有料版『FRIDAY GOLD』ではウォーキングストリートのおすすめ店10店を紹介しているほか、ゴーゴーバー28軒の場所を記した地図も掲載している。
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