4月に「養子の日」を制定 恵まれない子どもに家庭の愛情を
このように里親になりたい夫婦はかなりいるのに、なぜ里親に引き取られる赤ちゃんが日本では増えないのか?それは、育てられない親と、育てたい人の間を取り持つ公的なしくみが整備されていないことが背景にあるとされる。 日本では1987年の民放改正で、こうした家庭に恵まれない子どもが温かい家庭で暮らせるよう、戸籍上も実子と同じ扱いにできる「特別養子縁組」の制度が始まった。しかし、この両者の養子縁組あっせんについて行政は積極的に取り組んでおらず、民間でこうしたあっせん団体が活動していた。しかし昨年、マスコミ報道で、「あっせん団体が多額の費用を里親から受け取っている」という批判が展開された。 しかし実情は、たとえ非営利の団体でも、カウンセリングなどを行う人件費や団体運営の経費は必要で、諸外国では政府がこの費用を負担しているのに対し、日本ではこのようなサポートがないという。 日本財団では、キャンペーンの一環として、民間の養子縁組あっせん団体への資金協力(1000万円を上限)や、養親のための研修を近く実施。また予期せぬ妊娠をした女性のための相談窓口も、今年9月に開設を予定している。日本財団の担当者は「この問題について、ぜひ多くの人に関心を持っていただきたい」と話している。 (文責・坂本宗之祐)