ファッションの専門家たちと『サイバーパンク2077』の世界をゲームさんぽしてみたら?ナイトシティはオシャレ好きを大喜びさせる流行最先端の街だった
現実世界とは異なる歴史を歩んだ2077年を舞台に、主人公V(ヴィー)がアメリカ西海岸の巨大都市ナイトシティに渦巻く陰謀に巻き込まれる姿を描くオープンワールドRPG『サイバーパンク2077』。 【この記事に関連するほかの画像を見る】 テーブルトークRPG『サイバーパンク2.0.2.0.』を原作とする同作では、ネオン煌めく高層ビル街に空飛ぶ車、街を歩くサイボーグ化された人々など、サイバーパンクらしさを最大限に詰め込んだ世界とプレイヤーの選択で細かく変化するシナリオが楽しめるとして大きな注目を集めた。 密に作りこまれた世界観とシナリオで2020年の注目タイトルとなった同作だが、今年9月には同作初の有料DLC「仮初めの自由」をリリース。新エリア「ドッグタウン」を舞台としたストーリーをはじめ、ジョブ・キャラクター・ミッションと大ボリュームの新要素で再びの盛り上がりを見せている。 さて、今回紹介するのはさまざまな分野の専門家と共にゲームの世界を「さんぽ」して、世界の見え方の違いを共有するゲーム実況企画“ゲームさんぽ”を投稿するニコニコチャンネル「ゲームさんぽ/よそ見」にて公開された「【1番オシャレなNPCを探せ】業界人と行くゲーミングおしゃれSNAP2023/サイバーパンク×ゲームさんぽ#01」という動画。 本動画では案内人としていいださんとマスダさん、専門家としてファッション業界で活躍する大平かりんさん、頭山亜季さんが出演し、ファッションの専門家の視点から『サイバーパンク2077』の世界をさんぽする様子が収められていた。 本稿では「【1番オシャレなNPCを探せ】業界人と行くゲーミングおしゃれSNAP2023/サイバーパンク×ゲームさんぽ#01」より、DLC「仮初めの自由」実装の新エリアにて作中ファッションの分析を行う一番場面をピックアップ。ファッションの専門家の目に映る『サイバーパンク2077』の世界をご紹介する。 文/富士脇水面 いいだ: 今日は街をブラブラしながら歩いている人のファッションを見ていただいたりとか、自分の服を着替えることもできるので、そういうのをやっていけたらなと思います。 頭山: この人は……。 大平: 自分のスタイルがありますね。 頭山: 80年代。 マスダ: この人はベストレザーの店員さんですね。 いいだ: 店長感ありますね。 大平: この頭に巻いているアクセサリーの色合いとか、ちょっと突拍子がある感じはヨーロッパっぽいですね。 ヨーロッパってみんなスリフトショップ(古着も置いているお店)みたいなところで、自分のお気に入りのものとかを買ってくることが多いんですよ。 そうすると、「どこで見つけてきたのそれ?」みたいなユニークなものを「自分が好きだから」っていうので身に着けている人もめちゃめちゃ多くて。ジャケットとかもあるんですけど、結構小物に多いんですよね。 今のトレンドとは全く合わないけど、自分がパーソナルで好きなものとか、ちょっとノスタルジックで好きなものとかを結構見つけてきて着たり履いたりしてません? 頭山: ヨーロッパでは特に若い子がそういうのが多いというか。 いいだ: 今どきの普通のコーディネートに、自分が好きなものを一点ポンって入れてくるとか? 頭山: そうです。スカーフとかマフラーとか、ちょっと小物を合わせて差し色入れたりとか、ヨーロッパでは結構そういうのが多い。 大平: スニーカーとかも「どこで見つけてきたんだろう……」みたいな。 頭山: ね、ボロボロだけどなんかいい感じになってるみたいなのとか、革靴とかもすごくボロボロで多分セレクトショップで買ったりとかお父さんとかお爺ちゃんとか貰って履いてるとか、そういうものあったりする。 いいだ: じゃあこの人もやっぱりそういう感じ……。 大平: そういうセンス感じますけどね、頭に巻いてるものとか。 それか「タイガースファン」かも(笑)。 頭山: 中はマイアミのTシャツみたいな。 大平: いいなこの店長。 マスダ: なんですかね、緑色の紐とかも使い方が上手い感じがしますけど。 頭山: これ何だろう? ベストみたいな。 マスダ: リュック背負ってるのかな?ちょっと後ろから見てみますね。 大平: あーなるほどね。ハーネスみたいな。 いいだ: この人どこの角度から見てもキマってんな(笑)。 大平: ちょっとメイクも可愛い。白いアイシャドウしてて、下瞼につけてるドットみたいなのもかっこいいな。 頭山: なんかジャケットも結構質感が凄いですね。ペインティングしているみたいな。 大平: たまにアメリカ行くとない?ショップにこういうの。 頭山: ある(笑)。「誰かがやったんだろうな」みたいな。「自分でDIYしたな」みたいなやつあるよねたまに。 大平: あ、丈感が……! オシャレ~、靴下見せる系ね。 頭山: 靴下かわいい~。 大平: 靴もちょっと不思議。レザーかな? いいだ: このおっさん意外とすごいですね。 マスダ: さすが店長! せっかく着替えをできるので見てみましょう。 いいだ: 映っているのが自分ですね。 大平: 楽しいけどこれ大変(笑)。 頭山: 選ぶのもね。 頭山: それ見て見てみたいですね。 これがさっき言った肩だけカットオフみたいなやつ。 いいだ: 今は、肩出してる子めっちゃ多いですよね。 大平: こことかだと可動域なんで、ちょっと意味があるっちゃ意味がありそうですけど。今なんか「なんでここがカットオフなんだろう?」みたいなのもある。だんだんそれが増えていくと「ジョジョ」っぽくなっていく(笑)。 頭山: 結構デニムとかもね、ももの部分が切り込み入ってて、ちょっと素肌がみえるようなものも結構あるので。 いいだ: こういう腰の部分が見えているやつって韓国アイドルの子とかが着ているイメージがあるんですけど、この形はなんて言うんですか? 大平: これもカットオフの原理ですかね。こういうジャンプスーツみたいなセカンドスキンみたいな。 頭山: ボディスーツもですね。 大平: 今までボディスーツってフル(全身)の作業着みたいなものが多かったんですけど、今はこういう足は何もない水着っぽいボディスーツも街中で着ている人多くて。 まぁその下に履いちゃうんで見えないんですけど、増えてますね。 いいだ: 適当に何か履いてみて。 マスダ: 隠れちゃいますね。 大平: 本当はここから少し肌が見えてるとそれっぽいですよね。 (選んだスカートとの組み合わせを見て) マスダ: これは「ない」気がしますね。なんで「ない」って思うのかわからないですけど、色の組み合わせとかですかね? いいだ: これ僕も「ないな」って思ったんですけど、お二人はどうですか。 大平: いや、でも今「Y2K」で2000年代のファッションがリバイバルしてるじゃないですか。 これまさに2000年代「109」にいた人たちのファッション。 大平: てか、私たちリアルにこんな格好してたから、なしじゃないです(笑)。 頭山: 15歳とかね、17歳くらいまでの間にこういうタータンチェックのミニスカートみたいの。 大平: 流行ったよね。 頭山: めちゃめちゃ流行った。 いいだ: 「Y2K」でアリ(笑)。これは足元は何がいいですか? 大平: ブーツ履きたくなっちゃうよね。 頭山: これでハイヒールとかだとちょっと違うよね。急にコンサバ感出ちゃう。 大平: アムラー感を出していって。 頭山: ロングブーツ履きたいよね。 大平: いいんじゃないですか。サイバーパンクの世界にいるアムラー渋谷ギャル(笑)。 頭山: 109の前にね、いっぱい居た。センター街とかを闊歩してた感じの。 大平: 浜崎あゆみみたいな、テンガロンハット被せましょう。ブルーとかどうですか。 頭山: なんか、ファッション雑誌とかであったよね。こういう「やたらハット被ってる」みたいな時代。 いいだ: 上半身はこれでいいですか? 頭山: カットオフされたそのあたりとかも、クロップもあり。 大平: これは2023年っぽいね。 いいだ: じゃあ2023年っぽい格好で……。 大平: これが2023年っぽいかわからないですけど(笑)。 「109ギャル」っていう系譜でいくといいと思います。 いいだ: これで次行きましょうか。 マスダ: ちょっとそこらへんにいる人も見ていきましょう。 大平: かわいい、この子もギャル。眉毛とかもね。 頭山: 唇すごくない?メタル。 マスダ: これもなんかカットしてそうですね。 頭山: これもうほぼ、パンツの紐を見せてる感じ。 大平: 見せてくんだ。 大平: この男の人のタンクトップ可愛いですね。 多分サイドから肌が見える感じですね。 マスダ: すごいっすねこれ(笑)。ストリート系だと結構バスケットのユニフォームとかも超でかいオーバーサイズ着てますよね。 大平: 結構フェスとか行くとね、外国の方とかあえて「XXXL」とか着てたりしますね。 大平: また足元オシャレですよ。パンツをインして靴下をアウトしてて、しかもサンダルみたいなのを履くっていう。結構上級。 頭山: これ結構最近の流行っぽい。 マスダ: これ流行りなんですか?え……?靴下にインするの。 いいだ: 中学校のサッカー部の先生これでしたよ。 大平・頭山: (笑)。 頭山: でもなんか流行としてあったりするよね。 大平: スタイリングで雑誌とかに出てきそうな、「なし」じゃない感じはある。 でも、こういうサンダルは合わせないね。 頭山: そうだね、ちゃんとした何か。だいぶこれなんか……。あれだもんね。 お母さんとかおばあちゃんが履いてる……。 マスダ: ベランダに出るときのサンダルですね(笑)。 大平: この人すごいジャケット着てる。 すごいですねディテール、シャツとか掛け違えてますよ。 あとこのボタンの色。ボタンの中の糸の色とかすごいですね。 頭山: 一番下のボタンとかできてないもんね。 大平: うん、ここが掛け違えてるの、こことここで。下に行くとほら。 いやもう、アイテムというよりスタイリングがすごい。 マスダ: ボタンを(あえて)掛け違えるみたいなのってやることがあるんですか? 大平: これはたぶん無造作に。 頭山: 急いで出てきた感を出すみたいな。 大平: 雑誌のファッションシューティングとかで、あえてスタイリングでそうやってパーソナルなキャラクターを作るとかはありますよね。 いいだ: 「おっちょこちょいの人」みたいな? 大平: そういうことではないかな(笑)。崩しの一個ですね。 なんか全体カチッとしすぎたなってときとかに、あえてそういうスタイリングを入れると。 大平: これリバーシブルっぽい感じですね。後ろがプリントでかっこいい。 頭山: このレザーの質感みたいなのもすごい。 大平: この赤いステッチすごくない? 頭山: シャツのステッチも切り替えてたり。 大平: 手縫いの感じもあるし。普通にこのコート試着したいもん。 頭山: かりんちゃんとか持ってそうだもんね。 大平: うっかり買っちゃってそう。 大平: “ゴルチエ”とかね。私『フィフス・エレメント』って映画大好きなんですけど。 未来を描いていて、ジャン=ポール・ゴルチエが全部洋服作ってるんですけど、そこの影響をずっと引きずってるよね。 頭山: サイエンスフィクションの未来感みたいなのって、あの映画の影響がすごいある気がしますね。 ファッションの専門家といく『サイバーパンク2077』のゲームさんぽでは、本稿で取り上げたクラブスナップ編のほかにストリートスナップ編、コーディネート編を公開中。 専門家と共に『サイバーパンク2077』を通してファッションの世界を覗き見ることができる本シリーズをぜひチェックしてみてほしい。
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