「奥州日之出の松」子孫樹が枯れる 福島・広野 原因は害虫か
福島県広野町の浅見川河口にある「奥州日之出の松」の子孫樹が枯れたことが24日、町などへの取材で分かった。町によると、幹に穴があるため、害虫が原因とみられているが、他の原因も探るため、伐採はせずにしばらく様子を見るという。 奥州日之出の松はかつて「日本三名松」に数えられ、脇に鎮座する姥嶽蛇王(うばたけじゃおう)神社の「安寿と厨子王」伝説と結び付き、町の歴史の中で重要な存在となっていた。だが、2004年7月に枯死したため、伐採された。 その後、同神社は東日本大震災の津波で流失。17年の再建に合わせて氏子らが育ててきた子孫樹を同神社の周囲に10本以上植樹したが、複数が枯れていた。原因は津波による塩害の可能性もあるという。 子孫樹は町内の別な場所にも複数あるため、いずれは植え替える予定。同神社氏子で町観光協会長の鈴木正範さん(79)は「一番大きく成長していた子孫樹に被害があり悲しい。広野の大事な文化をしっかり守りたい」と話した。
福島民友新聞社