【卓球】パラ代表の岩渕幸洋と中村望は力を出し切るも勝利ならず〈全日本卓球選手権〉
天皇杯・皇后杯 2024年全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部) 1月22~28日 東京体育館 今大会、パラ卓球(肢体不自由)の代表として出場した岩渕幸洋と中村望。東京パラリンピック代表で、パリパラリンピックを目指すふたりは、大会3日目の1月24日、初戦となった2回戦に登場。ともに善戦するもストレートで敗れた。 ●男子シングルス2回戦 山岸駿(新潟産大附高) 4、7、10 岩渕幸洋(協和キリン) 岩渕は左足の障がいにより、バックサイドへの動きが制約される。3ゲーム目には、バック表ソフトで相手の攻撃をしのいでチャンスメイクし、フォア攻撃につなげるプレーを見せ、ジュースまで持ち込んだが、下がってのラリーに強い山岸に粘り強く連打され、ゲームを奪うまで後一歩だった。 「徐々に自分の用意してきた形を出せる展開にはなったけど、最初からどうやってプレッシャーをかけていけるかというのをやっていかないといけない。出るだけで終わらず、そこで勝ちを目指してやるのが大きな目標だったけど、このような結果になって悔しい。 自分のプレースタイルを見直して、フォアハンドだけでなくバックでも相手をコントロールすることをテーマにして取り組んで、幅を広げたい。 一選手としてこういった舞台に出場できるチャンスが増えるということは嬉しいし、パラの予選で勝ち取って試合に出られたことは自信になった」(岩渕)
●女子シングルス2回戦 岩越帆香(エクセディ) 14、5、4 中村望(花野井クラブ) 一方の女子シングルスに登場の中村は、右半身にまひがあり、岩渕と同様に左右に振られると不利になる。実業団・エクセディで活躍する岩越を相手に、1ゲーム目はゲームポイントを奪う健闘を見せたが、14-16で落とし、その後は岩越にフォア攻めからバックを突く戦術を徹底された。 「正直、勝つというより今の自分がどこまでできるかというところで、今自分が目指しているのはパリパラリンピック出場なので、今どこまでできるかをやるための準備をしてきた。結果、1ゲーム目は競ることができたのは良かった。実力は着実についてきたと思う。 二十歳くらいまでは健常の世界でやってきて、全日本には出られるわけないと思っていたことが多かったけど、パラでやってきて、ここに出ることも目標にしていたので、出られたことは誇りに思う。 パラの試合では健常者よりバランス能力が低いので左右に動かしたら良いが、健常者は左右が強いので、1回体の正面を突いてから左右に振るところが違う。バランス能力が違うので、自分のほうがきついと感じた。 自分の中では今年一杯で選手は節目という予定。(全日本出場は)これが最初で最後になるかなと思っています」(中村)