不足する洋上風力発電に関わる技術者 学びの場に 国内最大「人材育成センター」長崎市に開所《長崎》
NIB長崎国際テレビ
五島市沖をはじめ、全国各地で計画が進められている 洋上風力発電。 現在、課題となっているのが、専門の知識や技術を持った人材です。 設置やメンテナンスに携わる技能者を育てようと、国内最大の「人材育成センター」が長崎市に開所しました。
長崎市・伊王島に6日、開所した「洋上風力人材育成センター」。 海洋開発分野の人材育成に取り組んでいる日本財団が、約30億円をかけて整備しました。
(日本財団 海野光行 常務理事) 「国内最大の洋上風力技能者の安全訓練施設。人材不足解消に貢献していく」 全国各地で計画が進められている洋上風力発電。 県内でも、国内で初めての商用運転が行われた五島市沖や西海市江島沖が、国から「促進区域」の指定を受けています。 島国・日本における再生可能エネルギーの「切り札」とも言われている一方で、課題となっているのが 洋上風力に携わる人材の不足です。
2030年には1万5700人が必要になると推計されていますが、現在は約5000人。 さらなる普及のためには、人材育成が急務とされています。 そこで、6日に開設された「人材育成センター」では、洋上風力の設置工事や運転、メンテナンスなどを行う技能者を育てます。
県や長崎大学、民間企業などで作るNPO法人「長崎海洋産業クラスター形成推進協議会」が運営。 洋上風力発電の現場で必要な 国際認証の資格を取得できます。
長さ12.5m、幅7.5mのプールで行われるのは、作業中に海に落下したり、火災などで海に避難する場合を想定した訓練。 また 高い場所での救助を想定した訓練ができる設備も備えています。
(洋上風力人材育成センター 松尾 博志 施設長) 「タワーの中で下に落ちてけがをした人を、ヘリコプターで救助できる場所まで引き上げる。救急車の人が上まで来るのは何時間もかかるから、ヘリコプターが来たらすぐに乗せられるまでは自分たちでやらないといけない」 すべてのコースが日本語と英語で受講でき、年間1000人の受け入れを見込んでいます。