「光る君へ」岸谷五朗、宋語ゼリフマスターも演出から思わぬリアクション
第22回では敦賀の松原客館に立ち寄ったまひろ、為時が、宋人の朱仁聡(浩歌)、通事の三国若麻呂(安井順平)らに迎えられ、越前国府に向かう前に宴でもてなされる。松原客館で宋人たちが取っ組み合いのけんかをしていた際には為時が宋語で静め、まひろも「父上が宋の言葉をお話になるのを初めて聞きました」と尊敬のまなざしになっていたが、宴のシーンでは為時が漢詩を宋語で披露。宋人たちに「素晴らしい漢詩」と絶賛される場面だったが、「そんなにしゃべるって聞いていなかった」と岸谷。さらには、宋語ゼリフをマスターしたものの演出から意外なオーダーが飛び出し辟易したとも。 「そんなにしゃべるって聞いていなかったので(笑)。為時さんは少ししかわからない人なので『しゃべることはないです』と聞いていたら漢詩を宋語に変えてみんなの前で発表するっていうシーンがあって、しかも長いんですよ。久しぶりに暗記することに苦労しました。難しいし、もちろん中国語の先生に習って…それがすごくうれしかったことは、宋語の詩を10行くらいの詩をずっと宋語で読んだときに宋の発音とかを勉強してやったら先生が『これ95点ですよ』って、中国人の先生に言われて『やった~!』と思ったら監督から『もっと下手にやってください』って言われて(笑)。せっかく一生懸命先生について勉強したのに独特のことばのやり方があるんですよね。ちょっと日本語ではない、そのへんを随所に先生に指導してもらって、うますぎるからもっと下手にやってくれって『下手にやれ』って(言われて)こんなにがっかりしたことはありませんでしたね」
為時の友人・宣孝(佐々木蔵之介)は「行ってしまえば国守は楽な仕事よ。土地の者と仲良くやれば懐も膨らむ一方だ」と能天気なアドバイスをしていたが、為時は着任早々、宋人や役人などさまざまな人々の思惑に振り回されることとなり、激務のあまり胃がキリキリ。さらにはラストでは衝撃的な事件が発生し、前途多難な気配だ。(編集部・石井百合子)