インド新興財閥会長が390億円の賄賂に同意か、米検察当局が証券詐欺罪などで起訴…財閥側は否定
【ニューヨーク=山本貴徳】米司法省は20日、インド新興財閥アダニ・グループの創業者ゴータム・アダニ会長(62)らが贈賄事件に関与して不正な資金調達を行ったなどとして、ニューヨーク州の連邦大陪審に証券詐欺などの罪で起訴されたと発表した。
起訴状などによると、アダニ氏とグループ企業の幹部らは2020年から今年にかけて、印政府から太陽光発電事業の受注を獲得するため、同政府高官に2億5000万ドル(約390億円)以上の賄賂を支払うことに同意したとされる。資金調達の際に、汚職防止の取り組みなどで虚偽の説明を行い、米国の投資家らを欺いたなどとしている。
米メディアによると、米国の法律では、国内の投資家や市場と関連がある場合、検察当局が国外の汚職事件を捜査することを認めている。アダニ氏は資産が850億ドルを超えるアジア有数の大富豪で、モディ首相との親密な関係で知られる。アダニ・グループは21日の声明で「米司法省の主張は根拠がない」と強調した。