【RIZIN】平本蓮はいかに朝倉未来をKOしたのか──K-1、剛毅會、二瓶空手がMMA7戦で融合「平本蓮スタイルです」=全文
2024年7月28日『超RIZIN.3』(さいたまスーパーアリーナ)メインイベントのフェザー級戦(5分5R)で、朝倉未来(ジャパントップチーム)を1R、左フックでTKOに下した平本蓮(剛毅會)。 【写真】朝倉の得意技であり癖でもある右前手フックを見切っている平本 本誌既報通り、試合後インタビューでは、138秒TKO勝ちの動きを、これまでK-1等のキックボクシングで培った技術と、剛毅會空手、二瓶空手に共通する動きを、MMA用に融合させた「平本蓮スタイル」について語っている。 これまでの後の先のカウンターから「朝倉未来がやりたい距離よりも遠い距離」からいかに飛び込むか。“後ろ”を使う剛毅會空手、そして前後の動きのみならず、二瓶空手の左右のステップからの飛び込みで左を当てて、近い距離はK-1時代にゲーオをKOした回転の速い打撃を活かして朝倉をマットに沈めた(※朝倉は引退を表明)。 ◆朝倉が得意とする右前手のフックを誘った、平本のステップと打撃 ともにサウスポー構え。平本はテイクダウンディフェンスの自信からか、重心を少し落とし踏み込んでいける体勢に。 朝倉の左ローに対し、後ろ足を少し抜いて、右足も引いて空振りさせた平本は、一瞬、右に頭を下げたフェイントから左にステップインして、右ジャブを突く。あえて朝倉の右手側に踏み込んだ平本の右ジャブを、朝倉は左にかわしながら、得意の右前手のフックを振った。 YA-MAN戦のときと同様に、入ってきた相手に右フックを合わせる朝倉の癖──それを見切っていた平本は朝倉の右に見事に左ストレートを合わせた。朝倉は右前手のフックを打つ時に体が開く。そこに、これまでより厚めにバンテージを巻いたオープンフィンガーグローブによる平本の左の拳が打ち抜かれた。 効かされた朝倉は、クリンチ気味に手を伸ばすが、テイクダウンディフェンスをやり込んでいる平本は組ませず。コンパクトな左右で剥がし、圧力をかけたところに不用意に出してきた、またも朝倉の右に今度は左フック打をち込み、ダウンさせて両手を着かせると、サイドバック気味に左手で朝倉の腰を抱きながら右の拳を連打し崩し、身体が伸びた朝倉を見て、レフェリーが間に入った。 度重なるイベントをキャンセルしてまで、都内での練習に加え、試合の直前まで貪欲に宇都宮まで足を運んでいた平本。朝倉未来を倒すために準備し、選択した戦い方は、MMA7戦に至るまでの試行錯誤の蓄積が結実し、“最後にリングに立っている男”に導いていた。 以下は、試合後の平本との一問一答全文だ。