大谷らチームメートに支えられ好投を演じたドジャース・山本 (AP)

ナ・リーグ、地区シリーズ第5戦（ドジャース2－0パドレス、ドジャース3勝2敗、11日、ロサンゼルス）米大リーグ、ドジャースの山本由伸投手（26）がナ・リーグの地区シリーズ第5戦（5回戦制）のパドレス戦に先発し、5回2安打無失点でポストシーズン初勝利を挙げた。3回5失点の第1戦から中5日。同僚の支えで立ち直り、ダルビッシュ有投手（38）とのポストシーズンでは初となる日本投手の先発での対決を制した。ドジャースは13日（同14日）からリーグ優勝決定シリーズでメッツと対戦する。 【写真】大谷翔平に頭をなでられる山本由伸 自信を取り戻した剛腕が、パドレス打線を沈黙させた。先発した山本は5回2安打無失点。負けたら今季終了となる一戦で、これ以上ない投球を見せた。全身にシャンパンを浴び、会見場では晴れやかな笑顔だった。 「配球面は何度もミーティングを重ね、技術も何度も確認した。気持ちの面もしっかり切り替えてマウンドに上がった」 ポストシーズンでは初となる日本選手同士の先発登板。スプリットが乱れた前回から配球を見直し、最速158キロの直球を軸に攻めた。三回は1死一、二塁とされたが、好調のタティスをスライダーで三ゴロ併殺打。ピンチを脱し、叫んだ。四、五回も危なげない投球で投げ終えると、ロバーツ監督と抱擁。大谷には力いっぱい頭をなでられた。 同僚の助けを力に変えた。第1戦で3回5安打5失点。ロバーツ監督は投球の癖で球種がばれている可能性を指摘していた。「すぐには切り替えられなかった」と右腕も簡単には立ち直れず。大谷には「ポジティブな言葉掛けをたくさんいただいた」と感謝し、この日決勝弾を放ったE・ヘルナンデスにはサンディエゴでカフェに誘われ、2時間話し込んだという。 「チームメートが『信じているから』とマウンドに送り出してくれた。みんなのおかげです」と山本。第5戦先発に起用したロバーツ監督も「彼が試合の流れをつくった。ワールドシリーズまで波に乗るのが楽しみ」としてやったりの表情だった。自分自身を取り戻した山本が、チームを世界一へと導く。（横山尚杜）