犯人が発砲する瞬間（2日付G1サイトの記事の一部）

　ブラジル北東部ペルナンブコ州セルタン地域のサンジョゼ・ド・ベルモンテ市で、息子が陪審員裁判中に侵入し、父親殺しの犯人に発砲する瞬間を2台の監視カメラが捉えていた。この事件は2023年11月29日に同市の裁判所内で起こったが、今月1日になって映像が一般公開され、ネット上に拡散され衝撃を与えていると2日付G1サイトが報じている。 　動画では、傍聴席にいたクリスチアーノ・アルヴェス・テルトさんがおもむろに立ち上がり、父親を殺害したフランシスコ・クレイディヴァルド・マリアーノ・デ・モウラ被告に近づいて銃を発砲する瞬間がとらえられている。その後も執拗に追いかけ、銃底で何度も被告の頭を殴っている。 事件の瞬間をとらえた映像はこちらから！

　ペルナンブコ司法裁判所（TJPE）の情報によると、同事件の被害者であるクレイディヴァルド被告は、クリスチアーノさんの父親殺害の罪で公判中に6発の銃弾を受けた。 　発砲後、父の仇を討とうとしたクリスチアーノさんも現行犯逮捕された。事件の翌日に開かれた拘留審問で、裁判所はクリスチアーノさんを現行犯逮捕から予防拘禁に移され、サンジョゼ・ド・ベルモンテ公立刑務所に送られた。 　今年3月、クリスチアーノ被告の弁護側は拘束差し止めを求めたが、裁判所はこれを却下した。起訴状によると、「犯行の動機は、クリスチアーノ被告の父親が数年前に起きた殺人事件の被害者であり、その加害者が事件当時に陪審員会議で裁かれていたフランシスコ・クレイディヴァルド被告とされていることから、復讐であった」という。 　それだけ撃たれてもクレイディヴァルド被告は一命を取り留め、現在は自由の身だという。当初はサンジョゼ・デ・ベルモンテ病院に搬送された。その後、セラ・タリャーダ病院に移送され、治療を受けた。TJPEは声明の中で、「陪審員はまだ再招集されておらず、新しい期日も未だ設定されていない」と述べた。 　この事件の発端となった、クリスチアーノさんの父であるフランシスコ・アウヴェス・テルト銃殺事件は2012年に発生した。クレイディヴァルド被告は一頭のロバを巡ってフランシスコさんと喧嘩になり、事件現場である被害者の農場に泥酔して出向いた。拒絶されたことに怒った被告は怒り、フランシスコさんに向けて発砲。うち1発が被害者の腹部に命中した。 　その後、クレイディバルド被告は逃走し、被害者は親族によって救出され、地元の病院に運ばれたが、入院18日後に死亡が確認された。