ロマンス詐欺2億円超被害 小松の60代男性、県内「SNS型」最高額
小松署は25日、小松市の60代男性が、SNS(交流サイト)を利用したロマンス詐欺被害に遭い、現金約2億2400万円をだまし取られたと発表した。石川県警が統計を取り始めた昨年1月以降、県内で確認されたSNS型詐欺の被害額としては最も多い。県内の今年の被害総額は10億円近くとなった。 署によると、男性は7月31日、両親が日本人と中国人という女性を名乗る人物とSNSで知り合い、やりとりを始めた。男性は趣味の話などで意気投合し、「きょうだいのような親近感を抱くようになった」という。 その後、男性は相手から「金市場の取引で利益を得た。おじは経済学者で40年以上の投資経験がある。初心者でもリスクの心配はありません」などと、金への投資を持ち掛けられた。 男性は勧められた投資専用アプリを使い、8月26日~10月22日、金への投資や、投資資金を現金化する手数料などの名目で、26回にわたり、計約2億2400万円を指定されたネットバンキングの口座に送金した。 今月22日、男性のもとに「現金の引き出しが停止されている」とメッセージが届き、解除名目で3千万円を要求されたため、不審に思い、小松署に相談した。 今年1~9月、県警が確認したSNS型詐欺の被害総額は約7億5800万円(前年同期比約6億2400万円増)で、今回の被害を加えると約9億8200万円。昨年1年間の被害額(約1億8800万円)の5倍超となる。